親子読書のすすめ 川本裕子著
親子で本を読み会話しようという読書活動「家読(うちどく)」が静かな広がりを見せている。本書の描写はまさにその典型で、就寝前などに親子で読み、読み聞かせ、語り合った童話の中から117冊が紹介される。月3テーマ各3冊で毎月9冊が取り上げられているのだが、その解説が生き生きしているのは本を両親と兄弟でとことん楽しんだ結果だろう。子供の反応と成長、親と子の考え方が書き込まれていて、単なる童話の紹介に終わらぬ本をめぐる家族日記の趣もあり、なにやら親子による共著の感さえある。
本および読書に対する著者の柔軟な姿勢も子供を本好きにするに相違なく、こんなふうであれば子供は広く興味を持ち、豊かな感受性が育まれ、自分で考えるようになるだろうという感じがしてくる。同時に大人でも楽しみ学べる童話がたくさんあることがわかり、評者自身あれこれ読んでみたくなった。親子読書のためのアドバイス欄も、悩める親の参考になろう。(純)
日経BP社 1365円
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