「部下に嫌われている?」悩んだら試したい攻略法 心理学の「返報性の法則」をうまく利用しよう
目標ベースのコミュニケーションとは、なぜその目標を目指すのか(Why)、目標を達成するために何をするのか(What)、どうやって目標を達成するのか(How)といった、「目標」をベースにしたコミュニケーションです。
関係性ベースのコミュニケーションとは、誰と働くのか、その人はどんな人なのか、その人のことが好きか/嫌いか、その人と一緒に働きたいかといった、どうすれば関係性がよくなるかをベースにしたコミュニケーションです。
組織の不満の多くは関係性によるもの
実は、世の中のほとんどの組織は「関係性ベース」のコミュニケーションを取っています。組織の不満や愚痴の多くは、上司、部下、同僚、顧客、業者など、その人との関係性によるコミュニケーションなのです。
目標を下げて関係性を良くするのは簡単です。
例えば、売上目標は達成しなくてもいい、コストは下げなくてもいい、お客様の満足度は高くなくていいなど、組織の目標をどんどん下げれば、部下の働きやすさは増して、関係性を作るのは容易になるでしょう。
ところが、目標を下げれば一時的な関係性は良くなるように見えますが、収益性が悪くなり、支払える給料は上がりません。関係性だけを良くしようとして目標に向かわないと、組織を崩壊へと導いてしまいます。
逆に目標を高くすればするほど、関係性を良くするのは難しくなります。
売上目標を何とか達成しよう、コストは切り詰めよう、でもお客様の満足度は上げようと、あれこれも求めると「なんでそこまでやらないといけないんですか?」「そこまではやれません」と反発を招きやすくなります。反発を受けて、関係性ベースのコミュニケーションに終始してしまうと、泥沼にはまってしまいます。
つまり、目標をベースにしたコミュニケーションを取りながら、関係性を良くしていくことが重要なのです。
組織のリーダーは、関係性だけを良くしようとしてはいけません。目標の高さと関係性、この両立ができなければ、組織は強くならないのです。私たちは、関係性ベースではなく、目標ベースのコミュニケーションに切り替える必要があります。
あなたの組織は、目標ベースのコミュニケーションを取れているでしょうか?
では、どうすれば嫌われているかもしれない相手と、目標ベースのコミュニケーションを取りながら関係性を改善していけるのか。実は、カンタンな方法があるのです。それは「思い込み」です。
相手は自分のことを好きである
私は相手のことが好きである
と思い込むだけで、コミュニケーションは驚くほどうまくいきます。どういうことかというと、「相手に嫌われているかもしれない」と思うと、人は関係性ベースのコミュニケーションになってしまいます。