「部下が指示待ちになりやすい」上司に欠けた視点 どうすれば部下が主体的に動くようになるのか
「仕事を任せる」のと「放任」は違う
「部下には主体的に行動できるようになってほしい」
こう思っている上司は今でも多いです。主体性とは平たく言えば、「自分で考えて行動できること」を指します。主体性がクローズアップされた背景には、「指示待ち社員」に対する不安があります。このままでは、会社の将来が危ぶまれるという企業側の危機感が強くなったのです。
そこで各企業は、人材育成にコーチングを導入するなど、部下の主体性を発揮させるさまざまな取り組みを行いました。その結果、ある程度、自分で考え行動できるようになったものの、「結果が伴わない」という事例が多く聞かれるようになりました。
原因はさまざまですが、大きな要因の1つは部下の主体性を発揮させようと、部下を「放任してしまう」ケースです。部下に仕事を「任せたつもり」になっていて、実際には「放任されている状態」というのが実態でしょう。では、「主体性を発揮させながら、結果も伴わせる」にはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、5つのステップで考えてみます。
①まず部下の考えを聞く
最初の入り口では、主体性を発揮させる質問で部下が自ら考え行動できるようなきっかけをつくっていきます。やってしまいがちなパターンは、「今度の新規案件は、こんな感じで進めてもらいたいけど、いいかな?」です。確かにやり方を示されているので、部下はやりやすいでしょうし、上司としても安心なのかもしれませんが、これでは指示待ちと変わりません。
そうではなくて、例えば「今度の新規案件、田中さんとしては、どう進めていきたい?」という感じで、部下の考えや意見をまず聞くのが正解です。自ら考える癖をつけてもらうためです。