「部下が指示待ちになりやすい」上司に欠けた視点 どうすれば部下が主体的に動くようになるのか

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④部下と「チェックポイント」を共有しておく

プロセスを管理することは、結果を出させるためにも重要です。まず上司が押さえるべきポイントは、必要最低限の要所に絞って、進捗を確認するということです。

ここで重要なのは、「マイクロマネジメント」にならないようにすること。マイクロマネジメントは、部下が信頼されていないと感じてやる気を失うだけでなく、余計な時間や神経を使うことにもなり、上司にとってもマイナスです。

一方、要所については、部下と事前に確認する必要があります。例えば、情報収集、調査分析、企画検討、関係者との接触、案件の提案・契約、案件実施、中間評価、案件の終了、事後評価など、上司と部下が進捗を確認しあう各段階を明確にしておくことです。お互いにチェックポイントを確認しておくことで、より確実に結果に近づいていきます。

上司があせってはダメ

⑤成功体験を「言語化」させる

何かトラブルや改善すべきことはないかも含めて、当初の予定通り進んでいるかを確認することも大切です。進捗がいい場合には、「案件が上手く進んでいる理由は何だと思いますか?」とフィードバックして、成功体験を言語化してもらいましょう。成功パターンを言語化することにより、結果に至るための成功確率を少しでも上げていくのです。

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反対に上手くいっていない場合には、「改善できることがあるとしたら、何でしょうか?」とまずはフィードバックして、自ら解決策を考えさせることが大事です。

安易に答えを与えて「すぐにやり直せ!」のような指示命令はしません。部下は萎縮して、自分で解決しようとする力を失い、指示待ち人間になります。部下が自ら考えて行動し、結果までも出せるようになるには、時間がかかります。上司があせる気持ちもよくわかります。教えてしまったほうが早くすむのも事実ですが、あせって答えを与えてしまうほど、部下は育たなくなるのです。

ビジネスは長期戦です。今だけしのげればよいわけではありません。じっくりと部下を育てるという視点を持って、部下と関わり続けることが、結果を出せる部下を育てることにつながるのです。

國武 大紀 エグゼクティブコーチ/組織変革コンサルタント
くにたけ だいき / Daiki Kunitake

Link of Generation 代表取締役。1972年生まれ。滋賀県出身。大学卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入行。その後、JICA(国際協力機構)に就職。以後16年間にわたり、発展途上国の国際協力に従事。LSEに留学し、組織心理学の修士号を取得。名古屋大学大学院(国際開発研究科)客員准教授として指導。その後、外交官(OECD日本政府代表部一等書記官)となる。現在は、エグゼクティブコーチング、自己実現コーチングなどを行うほか、リーダーシップ開発や組織変革を専門とするコンサルタントとしても活躍している。著書に 『聞く力こそが最強の武器である』、 『聞く力こそがリーダーの武器である』(いずれもフォレスト出版)などがある。

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