「部下に嫌われている?」悩んだら試したい攻略法 心理学の「返報性の法則」をうまく利用しよう
部下に嫌われても構わない、むしろ「嫌われるのが仕事だ」という人がいます。
・上司は組織を目標達成に導くために存在しており、部下に好かれているかは関係ない。
・仲良しクラブを作るために仕事をしているわけではない。
・だから、部下に嫌われるかどうかは大した問題ではないのだ。
これはある意味で正しいのですが、私はあえて警鐘を鳴らしたいと思います。嫌われることをいとわない姿勢は重要ですが、不必要に部下からの好感度を下げていると感じるからです。
相手から嫌われているのは「致命的」
ビジネスにおいて、相手から嫌われているということが、致命的な影響を与えることは少なくありません。
例えば、営業で「商品は良いが、あなたからは買いたくない」と直前で決定をくつがえされることがあります。また、他部署から「状況は理解するが、あなたには協力したくない」と、困ったときに協力をしてもらえないこともあります。
部下の関係においても、「この上司のことは嫌いだから、この人の言うことは聞きたくない」というケースは、よくあることです。
つまり、仕事の目標を達成しさえすれば、正しいことさえ言っていれば、好かれているかどうかは関係ないというのは、上司にとって都合の良い理論で、その実は相手に好かれているかどうかで、ビジネスは動いているわけです。
「好きか嫌いかではなく、仕事をちゃんとしてくれ」
そんなふうに思いたくなるのもわかりますが、上司の立場にある人は、部下自身が、「この人に協力したい!」と思えるような関係性を築く努力をしなくてはいけないのです。あなたは、部下から好感を持たれ、喜んでついていきたい、この人に協力したいと思われる上司でしょうか?
では、嫌われているかもしれない部下と、どう関係を築けば良いのでしょうか。
部下から嫌われるよりも好かれたほうが良いことは、間違いありません。とはいえ、部下に嫌われないこと、好かれることばかりに意識が向いてしまうと、チームの力が弱くなってしまうことがあります。「嫌われるかもしれない」という恐怖から、指摘すべきことを言えず、部下に迎合してしまうからです。
好かれることを目的にしてしまうと、結果的に部下に嫌われなかったとしても、できあがるのはただの仲良しクラブです。誰も業績達成に向かわない、主体的に動いてくれない、本末転倒の結果になってしまいがちです。
組織を強くするコミュニケーションには、以下の2種類があると私は定義しています。
①「目標ベース」のコミュニケーション
②「関係性ベース」のコミュニケーション