発電大手JERAが目指す「カスタムメイドな電力」の販売。東宝などとのコラボで、24時間365日すべての電力の脱炭素化狙う

トップ同士が意気投合し、脱炭素化でコラボ
東京都世田谷区成城の高級住宅地の一角にあるのが、大手映画会社東宝が運営する東宝スタジオだ。「ゴジラ」シリーズや黒澤明監督の名作「七人の侍」などの制作で知られる同スタジオに、JERA Crossは2024年11月、再エネを主体とする電力の供給を開始した。東宝スタジオは、東電グループの小売販売子会社である東京電力エナジーパートナーとの契約を、新規参入のJERA Crossに切り替えた。
そのきっかけは今から4年ほど前にさかのぼる、東宝の松岡宏泰社長と親会社JERAの可児行夫会長グローバルCEO(最高経営責任者)による話し合いだった。
「映画制作で一緒に脱炭素化を目指しましょう」
トップの意気投合をきっかけに両社は「映画制作のゼロエミッション(脱炭素)化に向けた覚書」を2021年12月に締結。東宝は、脱炭素化へのロードマップ策定や脱炭素エネルギーの確保を、JERAの協力を得て進めることを決めた。その後、両社は東宝の社員が参加するワークショップを共催して社員のモチベーションを高め、使用電力の脱炭素化の対象として東宝スタジオに白羽の矢が立った。
東宝スタジオを運営する島田充・TOHOスタジオ社長によれば、「自社物件であり、プロジェクトとして取りかかりやすいことが決め手になった」という。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら