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住信SBIネット銀行買収の真実 一度は交渉決裂もNTTとSBIが急転直下で合意、「隠れた条件」が存在するとの指摘も

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会見後の記念撮影
NTTとSBIは金融のみならず、メディア事業でも提携する。写真は5月29日に開かれた会見後の記念撮影。左からNTTドコモの前田義晃社長、NTTの島田明社長、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長、住信SBIネット銀行の円山法昭社長(撮影:風間仁一郎)

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【配信予定】
6月5日(木) 執念見せたドコモ、「悲願の銀行買収」に透ける焦り
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SBIホールディングスは5月29日、保有する住信SBIネット銀行の株式をNTTドコモに売却すると決めた。2023年8月にNTTドコモから資本参加の打診を受けてからおよそ2年半。今年2月にほぼまとまりかけるも頓挫した交渉は、急転直下で合意へとこぎつけた。

ドコモ側が買収額を引き上げたことが一因だが、足元で進むフジ・メディアHDの動向も追い風となった可能性がある。

グループの中核銀行は新生銀

売却は時間の問題だった。SBIHDが2023年に新生銀行(現SBI新生銀行)を完全子会社化すると、新生銀は住信SBIを露骨に意識した営業攻勢を開始したからだ。

預金金利は住信SBIより高く、住宅ローンの貸出金利は住信SBIより低い。6月の変動型住宅ローンの最優遇金利も、住信SBIが0.698%に対して新生銀は0.66%。別のネット銀行の住宅ローン担当者は「グループで顧客を奪い合っているようにしか見えない」と呆れる。

そもそもSBIグループの中で、住信SBIの立ち位置は微妙だった。SBIHDにとって、新生銀の利益はすべてグループに取り込めるうえ、法人営業を通じた地方銀行との連携も期待できる。

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