フジ・メディア株「異常な出来高」に潜むシナリオ 堀江氏のニッポン放送買収騒動時を連想させる
異常な出来高は個人が原因なのか。それとも別の「招かれざる者」が動いているのか。
フジテレビジョンを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(HD)の株価が1月17日以降、出来高を伴って急上昇している。1月22日の株価は前日終値比8.1%高の1971.5円となった。
目を引くのは出来高の多さ、つまり売買された株数だ。1月20日は3679万株、21日は3851万株、22日は4344万株だった。2024年で最も多かったのは2月2日の464万株で、最近の出来高は突出している。トヨタ自動車(22日は2416万株)すらはるかにしのぐ水準だ。
出来高が「あの2005年」を超えた
アメリカの投資ファンド、ダルトン・インベストメンツが、タレントの中居正広氏の性的トラブルをめぐり、第三者委員会の設置を要求する書簡をフジ・メディアHDに送ったのは1月14日のことだった。
フジ・メディアHDの大株主でアクティビスト(物言う株主)であるダルトンの行動は「呼び水」となった。
「アクティビスト個人投資家」を名乗る田端信太郎氏(元ZOZO執行役員)や実業家の堀江貴文氏など、X(旧ツイッター)やYouTubeを通じて個人に影響力を持つ著名人が、フジ・メディアHD株を購入したと公言。「株主総会の出席チケット」として株を買う個人も出てきた。
フジ・メディアHD株の出来高が2000万株以上となるのは、HD発足以前のフジテレビ株だった2005年以来のこと。くしくも堀江氏率いるライブドアが、フジテレビの筆頭株主だったニッポン放送の買収に動いた年だ。
「個人投資家の買いでここまでの出来高になるのか。ちょっと説明がつかないように思う」。そう述べるのは、企業の買収防衛策などに詳しいIBコンサルティング社長の鈴木賢一郎氏だ。
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