フジ・メディア株「異常な出来高」に潜むシナリオ 堀江氏のニッポン放送買収騒動時を連想させる

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鈴木氏は「個人とは別の大きな買いの主体がいるのでは」とにらむ。買いを招き入れる素地がフジ・メディアHDの株主構成にあるからだ。それは“実質的な外国人直接保有比率”に表れている。

放送法では、外資による放送局の支配を防ぐため、議決権ベースでの外国人株主の比率を20%未満にするよう放送局に求めている。20%以上になると認定放送持株会社の認定が取り消される。

そのためフジ・メディアHDなどは、外国人株主が20%以上となる場合に、議決権付与の対象外とする措置を取っている。

株主は、株主総会で提案された議案に賛成・反対の票を投じることで経営に参加できる。この議決権の行使に制限をかけているわけだ。とはいえ、株式を保有していることに変わりはない。配当も受けられる。

フジの外国人株主比率は高い

そのような外国人株主を含めた「外国人直接保有比率」をみると、フジ・メディアHDは30%超。上場する民放テレビ局の中で最も高く、次に多い日本テレビHDの約20%とも差がある。

鈴木氏は「これら外国人株主が足元でフジ・メディアHD株を放出しているかもしれない。買っているのは国内のアクティビスト、さらにはメディア事業を手に入れたい事業会社の可能性もある」という。

この分析には理由がある。堀江氏率いるライブドアがニッポン放送株を大量に取得できた背景には、議決権のない外国人株式の存在があった。2004年9月時点で233万株あり、ニッポン放送株の約7%を占めていた。

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