「SaaSの死」という声も…。急速に進化するAIがここにきて衝撃を与えているワケ

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(写真:ブルームバーグ)

音楽配信サービスでは、生成AIで作られたとみられる楽曲の流入が問題になりつつある。例えばフランス・パリに拠点を置くDeezerは、完全にAI生成とみられる楽曲が1日に5万曲超アップロードされていると公表している。 2026年に入っても、この流入はさらに増えているとの報道もある。

こうした状況は、権利者への対価や説明責任をめぐる議論を加速させており、アメリカでは200人超のアーティストが「無断学習」や創作の価値の毀損に対する懸念を示す公開書簡を出したこともある。

そうした中で注目されるのが、生成AIが作った楽曲から「どの既存曲がどの程度影響したか」を推定し、根拠を示そうとする技術だ。2月16日の日本経済新聞朝刊に「作曲AI 学習データ特定 ソニーG」という記事が掲載された。AIが作った音楽から学習や生成に使われた楽曲を割り出す技術を、ソニーグループが開発したという内容である。記事では「例えば『ビートルズの曲が3割、クイーンの曲が1割使われている』といった具合に、元になった作品の貢献度合いを数値化できる」と指摘している。

個人で音楽や動画が手軽に作れる時代に

周知のように、「YouTube Music」や「Apple Music」「Spotify」といった主要な配信サービスでも、生成AIを用いたとみられる楽曲が一定数流通している。象徴的な例として、2025年に突如話題になったロックバンド「The Velvet Sundown(ベルベット・サンダウン)」はSpotify上で急伸し、のちにSpotifyのプロフィールでAI生成プロジェクトである旨を明かしたと報じられた。

AI楽曲の多くは音楽制作アプリ「Suno」などで作られ、個人でも短時間で曲を生成できるようになった。さらに動画生成ツール等と組み合わせれば、ミュージックビデオ風の映像も個人が手軽に作れる環境になりつつある。今やミュージックビデオは、プロが作るだけのものではなく、個人が自分の感性で気ままに作れる世界になっているわけだ。

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