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必ず投資回収できる自信がある
――芝浦電子へのTOB価格を大幅に引き上げました。
最初に提案した4300円も、十分にプレミアムを乗せた額でした。しかし5400円に引き上げた今でも、芝浦電子に対する投資で必ず資金回収できる自信があります。
――買収総額は823億円となり、芝浦電子の営業利益(2024年3月期)16年分に相当します。投資回収に時間がかかりませんか。
芝浦電子が未来にわたって何も変わらないのであれば、その通りでしょう。しかしヤゲオが買収することで、芝浦電子の収益を別の次元へ引き上げられると確信しています。芝浦電子の技術と製品を、彼らがこれまでアクセスできなかった世界中の顧客に届けられるからです。
ヤゲオ傘下には、日本企業のトーキン(旧NECトーキン)があります。ヤゲオが2020年6月にアメリカの電子部品老舗・ケメットを買収(買収額約2250億円)した際に、その子会社として傘下に入りました。
ヤゲオはトーキンに新規顧客を紹介し、AIや宇宙など新しい分野に進出させ、設備投資を行い生産量を拡大させてきた。その結果、トーキンの営業利益は2.8倍に伸びました。
芝浦電子は優れた温度センサー技術を持っているのに、売上高の4割は日本国内、海外もほとんどが中国、アジアの日系企業向け。優良顧客が数多くいる欧米向けビジネスはわずかしかない。
確かに温度センサーで世界トップだがシェアは13%。私たちの傘下に入れば、欧米などで新しい顧客をつかみ、市場シェアを高め、トーキンのように業績を拡大することができます。
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