ヒドイ「市販おせち」、耐えられる3品は? ヘタな冷凍で「味がガタ落ち」が9割!
河岸:あとは「冷凍によって味がガタ落ち」しているのは、伊達巻だね。
N君:なるほど、伊達巻もですか……。おせちで思いつくのは、あとは数の子、黒豆、昆布巻き、なます、田作り(ごまめ)、栗きんとん……こういうのも全部冷凍ですか?
河岸:いま君が言ったのはほぼ全部冷凍。凍結されて配送されたものをスーパーで解凍する。デパートも同じ。最近はネットも人気みたいだけど、これも凍結配送がほとんどでしょう。
N君:有名料亭のおせちもですか?
河岸:もちろん大半の店が冷凍おせち。前もって大量に作っておいたのを保存するというだけでなく、輸送の品質管理のことを考えると、どうしても凍結になってしまうんだね。
N君:なるほど……。あとは、タケノコを煮たやつも、よくおせち料理に入っていますよね。あれはどうですか?
河岸:タケノコの土佐煮ね。もちろん冷凍品。業務用のフリーザーで急速凍結するから、家庭で冷凍するのと比べたら味や食感の劣化は少ないけど、それだって味も食感も落ちるのは否めない。
N君:確かに昔、冷凍したタケノコを食べたら、味がスカスカでおいしくなかったです。
河岸:なおかつタケノコの場合は、「今年のタケノコとは限らない」という問題もある。エビと同じで、1年以上前のものかもしれない。
N君:えっ、エビはおせちの花形的な存在ですよね。そのエビが、いつとれたものかわからないんですか?
エビは1年以上前のもの?
河岸:エビももちろん凍結だけど、そのうえ「いつとれたエビ」かわからない。凍結すれば何年ももつから、1年前、2年前にとれたエビかもしれないし、もっと前の可能性だってある。
N君:冷凍エビだとしても、せめて今年とったエビだとばかり思っていました……。言われてみると、おせち料理に入っているエビって、あまりおいしくないですよね……。
河岸:いくら大きなエビが豪華に並んでいても、いつとれたかわからない凍結解凍のエビがおいしいわけがないよ。
N君:エビはだいたい、どこ産が多いんですか?
河岸:東南アジア産が多いかな。養殖したエビを殻をむいて何度も水で洗浄する。確かに衛生的で安全かもしれないけど、その分、おいしさも抜け落ちてしまっている。
N君:もちろん「安全」であるのは重要ですが、やっぱり「おいしさ」がないと意味がないですよね。
河岸:そのとおり。1度、冷凍エビと、刺身用の殻をむいたエビを食べ比べてみると、味の違いに驚くはずだよ。でも、実際は、エビを解凍した日が「製造日」になるから、そこから賞味期限・消費期限を設定すればいいわけ。「いつとれたエビか」は、消費者はもちろん、販売者にもわからない。
N君:販売者もわかっていないというのはすごいですね……。じゃあ、同じ冷凍品でも、「これはマシ」ってものはどれなんですか?
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