ヒドイ「市販おせち」、耐えられる3品は?

ヘタな冷凍で「味がガタ落ち」が9割!

セットなら「重箱に盛りつけてあるおせち」がおすすめ

河岸:個別の1品については、さっき説明したとおり。どうしても「おせちセット」を買うというなら、まだ「事前に重箱に盛りつけてあるおせち」がおすすめかな。
N君:確かに、市販のおせちには、「重箱に盛りつけてあるもの」と「自分で真空パックから出して盛りつけるもの」の2種類ありますね。
河岸:自分で真空パックから盛りつけても、おいしそうにはできないでしょ。本当は、タケノコの土佐煮なんかは、凍結ものより真空パックでレトルト殺菌処理されたもののほうがおいしいんだけどね。
N君:確かにおせち料理だし、「見た目」も大事な要素ですよね。
河岸:いまは冷凍技術が進化して、マイナス40度以下で一気に凍結できる技術もある。だから、重箱に盛りつけて一気に凍結し保管されたおせちは、冷凍品でも比較的おいしい。
N君:なるほど、冷凍の仕方によって、味がまったく変わってくるわけですね。
河岸:今回、「冷凍おせちは味がガタ落ちしたものが多い」と書いたけど、その原因は冷凍自体にあるというより、本当は「冷凍の仕方」「解凍の仕方」に問題があることが多い。「きちんと凍結」して「きちんと解凍」すればおいしいんだけど、実際は、専用の機械を使用せずに「緩慢凍結」して、かつ適当に解凍したものが多いから。だから、かまぼこにしろ伊達巻にしろ、冷凍品は味が損なわれてしまっているんだ。
N君:「どう凍結して、どう解凍した」かは消費者には見分けがつきませんよね。だから、できることなら売り場の人に聞いて、凍結されていないものを買うのがベストですね。
河岸:「高い冷凍品」より「安い冷凍されていないもの」のほうが総じておいしいからね。予約のときに、店の人に聞くことだね。レストランや料亭の中には、普段の営業を何日か休んでおせち料理の仕込みにあて、きちんと全部手作りしているところもある。もちろん、そういう店のおせちはいい値段で、最低でも1段あたり1万円、3段セットで3万円はする店が多いけどね。
N君:さすがに、そういうおせちは高いですよね……。
河岸:だから、やっぱり、おせちを「買う」という発想自体が、本当はおかしいと思うけどね。本来、おせちはその家、その郷土に伝わった味があって、新年を祝うためにこしらえる特別料理でしょう。自分で作らなかったら、おせちのおいしさなんてわかるはずがない。いつから日本人はおせちを「買う」のが当たり前になってしまったんだろう。
N君:そういえば実家では、母親が年末に2~3日かけて作ってました。
河岸:もちろんそれが理想。でも最近はみんな忙しいだろうし、すべてをいちから手作りするのは難しいかもしれない。ただ、「エビくらい買ってきて自分で焼こうよ」というのが私の言いたいこと。時間がないなら、冷凍しても味が落ちにくい「田作り」「黒豆」「ハム」は買ってきてもいいし。
N君:なるほど……。市販品も上手に取り入れながら、無理のない範囲でおせちを手作りしてみるという提案ですね。ぜひこの記事を参考に、今年はおいしいおせちを食べて、いい1年を始めましょう!

 

というわけで、「おせち料理」の裏側は以上になります。

今年5月に新刊『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』のベストセラー記念&続編取材で始まった連載も、今回で早くも17回目。「ヤバすぎる『某100円回転寿司』の裏側」は1記事で1000万PV(ページビュー)を突破するなど、毎回多くの反響をいただきました。この場を借りて、改めて読者のみなさんにお礼を申し上げます。東洋経済オンラインも月間8600万PVを突破するなど大躍進の1年だったようで、執筆陣としてもとても嬉しく思います。

年明け1回目は「卵の裏側」第3弾、ヤバすぎる「あのコンビニ卵食品の裏側」です。

みなさんが日頃よくコンビニで買う「あの人気の卵商品」は、実は100%白身なのに、着色して黄身に見せかけていた「ニセモノ商品」だった。しかし、それを「簡単に見抜くスキル」がある、という話をしたいと思います。

楽しみにお待ちください。

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