ただし、iPhone 6 Plusのカメラの突起や、ガラス面を保護してくれる機能はあまり期待しない方がよいだろう。
背面側にはカメラの突起分、前面側はガラスが湾曲して側面へ切り替わる部分までのみを、精密にカバーするバンパーであるため、机に置いたとき、カメラのレンズも、ディスプレイのガラスも、ケースを装着していない時と同じように直接机に接する。
側面からの落下から本体は守れるが、このバンパー自体もキレイに保ちたい。iPhone共々、より大切に扱うようになった。
チャレンジ:高級iPhoneケースブランドをつくろう
DAQは、iPhoneの2012年モデルであるiPhone 5のころ、金属製のiPhoneケースに参入した。そのきっかけは、iPhoneで採用された金属加工だったという。
iPhone 4Sまでは金属の縁取りと前面・背面のガラスというデザインだったが、iPhone 5からはアルミニウムの削り出しによってボディを作る製法に変わった。多いときには3カ月で5000万台を販売するデバイスに、金属加工が使われていることに衝撃を受けたと同時に、自分たちならもっとスゴイ物が作れると考えたという。
DAQがある岐阜県には、金属加工技術が集積しており、航空・宇宙分野やF1などのモータースポーツで使われる高精度の金属部品の加工を手掛ける企業が軒を連ねる。iPhoneの金属削り出しのボディを見ながら、岐阜の街を歩くことで、iPhoneのアクセサリとして、高い精度のケースを作り出せるのではないか、と着想した。
前述の通り、iPhoneケースとなると、500円から手に入る世界だ。ファッションアイテムも手がけていた同社は、Tシャツだって500円から数万円までの価格レンジがあり、後者は高級ブランドとして商品を作っていることから、「iPhoneケース専業の高級ブランド」というポジションに賭けた。
日本国内の市場はもちろんだが、世界中の人々が使うiPhoneのアクセサリであれば、世界に売っていくことができる。こうして、日本の確かな技術とブランドのポジショニングで、SQUAIRブランドを展開し始めた。既に海外の展示会などにも出展しており、反応も上々だという。
日本の金属加工技術は、非常に厳しい環境で使われるパーツにも対応する唯一の高い精度を誇る。DAQは地元の企業同士のコラボレーションとして、この精度の高い加工技術を活用しているが、始めは加工を手掛ける企業も、試作の段階では「こんなもの売れるのか?」と半信半疑だったという。
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