部外者が「未来工業に入る」と勝手に吹聴
山田昭男氏が創業した未来工業は、「社員が日本一幸せ」な楽園企業として有名だ。1日の就業時間は7時間15分で、残業禁止が原則。「休みが日本一多い」ともいわれ、5年ごとに会社負担の豪華海外社員旅行(岐阜発「楽園企業」は、社員旅行も豪華すぎる)
まであり、至れり尽くせりだ。
さらにスゴいのは、ここの若手平社員がとにかく「自由」すぎること。生前の山田氏が、社長だったころのこんなエピソードを筆者に教えてくれたことがある。
「ワシが営業で沖縄に出かけたら、訪問先の人から『そういえば、T君がアンタの会社に入るそうやな』と言われて驚いたぞ。そんな話は初耳やからな。T君が勝手に『未来工業に入る』と吹聴しとったんや。オモロいやろ?」
なんと、他社の社員が勝手に「未来工業に入る」と吹聴していたという。
「しかも、T君が『未来工業の社員になる』と吹聴するのを聞いたある女性が『私も入りたい』というと、まだ社員でもないT君は『うん、君も入れてやる』とその場で即答したらしい。仕方ないから、2人とも入社させた。こんな会社はめったにないやろ?」
生前の山田氏はニヤニヤしながら、そう明かしてくれた。未来工業の「若手平社員」が自由すぎるのは、これだけではない。
未来工業では、先輩や上司が後輩や部下に命令するのも禁止だ。これも普通の会社と比べれば、「自由すぎる」と見えるはずだ。その代わり、上司には仕事内容について部下をきちんと「説得」し、「納得させること」を義務付けている。
今回は、そんな楽園企業の「自由すぎる若手平社員たち」を紹介したい。
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