製品開発は上司に相談しないからうまくいく
「ウチにはホウレンソウはない。もちろん野菜の『ほうれん草』じゃなく、上司への『報告・連絡・相談』の略称の『ホウレンソウ』や。ウチでは製品開発ひとつとっても、担当者が勝手に決めて、完成品まで自分ひとりで仕上げるんや」
未来工業の創業者、山田昭男氏は生前そう話していた。だから未来工業では「ホウレンソウ禁止」だ、と。
未来工業では、もちろん多少の事後報告や相談はあるものの、基本は開発担当者が「一国一城の主(あるじ)」。製品アイテム数が多いこともあるが、個別製品にくわしくない上司が、下手に口出しするのを防ぐためでもある。
「近頃の管理主義は、社員を信用せずに、上司が事細かに口出しして“子ども扱い”をしとる」と山田氏は言うが、上司の気まぐれな口出しに、右往左往させられているビジネスマンから見れば、それだけでも「楽園」に見えるかもしれない。
とはいえ、「すべて任される」ということは、製品の売れ行きが最終的には「担当者の責任」になるので、いい加減な仕事はできない。
では、もし製品が売れなければ、担当者はどんな「責任」をとらされるのか?
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