楽園企業の「ホウレンソウ禁止」がヤバすぎる 「社長室の隣に勝手にトイレを作る」って…

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「ホウレンソウが一切ない」のは「人を育てる」ための経営戦略のひとつだった(撮影:和田 英士)
「社員が日本一幸せ」ともいわれる未来工業(岐阜県にある電気・設備資材メーカー)。同社は、1日7時間15分就業で残業禁止が原則。年間休日数が140日&有休最長40日で、休みの多さが「日本一」という声もある。しかも驚くほどの高年収で、海外への豪華社員旅行などもあって「楽園企業」と呼ばれる。
同社創業者の山田昭男氏は一昨年他界したが、遺作『山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル』は、いまも注目を集めている。
今回のテーマは、山田氏が導入した「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の禁止」について。未来工業では「ホウレンソウが一切ない」が、じつはそれが「会社が儲かる」ための経営戦略のひとつらしい。
ホウレンソウ禁止が、会社の利益とどう結びつくのか。長年、同社を取材してきたルポライターが、その「秘密」を明らかにする。

製品開発は上司に相談しないからうまくいく

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「ウチにはホウレンソウはない。もちろん野菜の『ほうれん草』じゃなく、上司への『報告・連絡・相談』の略称の『ホウレンソウ』や。ウチでは製品開発ひとつとっても、担当者が勝手に決めて、完成品まで自分ひとりで仕上げるんや」

未来工業の創業者、山田昭男氏は生前そう話していた。だから未来工業では「ホウレンソウ禁止」だ、と。

未来工業では、もちろん多少の事後報告や相談はあるものの、基本は開発担当者が「一国一城の主(あるじ)」。製品アイテム数が多いこともあるが、個別製品にくわしくない上司が、下手に口出しするのを防ぐためでもある。

「近頃の管理主義は、社員を信用せずに、上司が事細かに口出しして“子ども扱い”をしとる」と山田氏は言うが、上司の気まぐれな口出しに、右往左往させられているビジネスマンから見れば、それだけでも「楽園」に見えるかもしれない。

とはいえ、「すべて任される」ということは、製品の売れ行きが最終的には「担当者の責任」になるので、いい加減な仕事はできない。

では、もし製品が売れなければ、担当者はどんな「責任」をとらされるのか?

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