楽園企業の「ユルくてスゴい」人材育成法 「教育、管理、強制しない」と人は勝手に育つ

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山田流、人材育成法「3ナイ主義」とは(撮影:今 祥雄)
「社員が日本一幸せ」ともいわれる未来工業(岐阜県にある電気・設備資材メーカー)。同社は、「残業なしの毎日5時退社」で有名だが、年間休日数が140日&有休最長40日と、休みの多さが「日本一」とも言われる。しかも驚くほどの高年収で、海外への豪華社員旅行などもあって「楽園企業」と呼ばれている。
同社創業者の山田昭男氏は一昨年に他界したが、遺作となった『山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル』は、今も注目を集めている。
今回のテーマは、山田氏が提唱した人材育成法「3ナイ主義」。これは「教育しない・管理しない・強制しない主義」の略称だ。「そんなユルい会社で大丈夫なのか?」と思うかもしれないが、それでも同社は好業績を続けている。その謎に、同社を長年取材してきたルポライターが迫る。

子会社の新社長にヒラ社員、月給100万円!

日本一“社員”が幸せな会社をつくった男の集大成! 「未来工業と山田昭男のすべてがわかる」と話題の1冊。

「ワシは『やる気のある者には逆らわん主義』やから、若手ヒラ社員が新社長になっても、ち~っとも構わんぞ。だから、任せたんや」(山田氏、以下同)

岐阜県の電気・設備資材メーカー、未来工業の創業者である故・山田昭男氏はニンマリしながら、そう語ったことがある。

しかし、いくら自由な会社といえども、管理職研修さえ受けていない若手ヒラ社員が、いきなり子会社の新社長なんて、普通はありえない。

しかも抜擢ではない。子会社を設立するにあたり、新社長を社内公募したところ、応募してきたのは若手のヒラ社員ただひとりだけだったのだ。その結果、自ら給料を「月100万円」と決めて新社長に就任したという。

実は、山田氏は「人を育てる」にあたって、「教育しない・管理しない・強制しない」の「3ナイ主義」を提唱していた。このヒラ社員社長も、その「教育しない」主義から生まれたものだ。

今回は、未来工業式「人を育てる『3ナイ主義』の極意」を紹介したい。

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