「話し下手な人」でも無理なく好かれる会話術 注意!冗舌に話すほどイケ好かないヤツに

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うまく話そうとして逆にドツボにハマることもあります(写真:xiangtao / PIXTA)

あなたは人に話しかけるほうが好きですか? それとも、人から話しかけられるほうが好きですか? 大半の人は後者を選びますが、それは当然。自分から話しかけるときは「相手にどんな顔をされるかな……」と不安ですし、相手から話しかけられたときは「自分と話したいと思ってくれているんだ」とうれしいものです。

しかし、書店に並ぶコミュニケーション本のほとんどが、自分から話しかけて「会話上手と思わせる」「言葉で相手をコントロールする」という心理的にも技術的にもハードルの高いものばかり。筆者はそれらの本を見るたびに、「いやいや、会話上手になったら嫌われちゃうよ」「相手をコントロールしようとする人なんて信用されないでしょ」と、心の中でツッコミを入れていました。

筆者は長年コミュニケーションに関するコンサルを行ってきましたが、相談者の亮さん(仮名、出版社雑誌記者)が、まさにそんなタイプ。亮さんは「話し方に関する本は5冊読んだし、セミナーにも参加したのに、取引先や同僚との会話が一向に弾みません。何がいけないのでしょうか?」と私にアドバイスを求めてきました。

わずか10分話しただけで、その理由がわかりました。亮さんは「会話上手と思われたい」「相手にこう感じさせたい」と思うあまり、説明が長くなりがちで、しかも返事を誘導するような話し方だったのです。丁寧な言葉遣いで話していることは極めてまっとうなのに、話せば話すほど相手のテンションと自分の好感度が下がっていく――。もちろん亮さんの人柄に疑いはなく、単に勉強の方向性を間違っているだけなのです。

話術は必ずしも成果に結び付かない

そこで、これを読んでくださっているあなたに質問です。あなたは冗舌に話す人が好きでしょうか? 話のうまい上司を慕ったり、弁の立つ部下をかわいがったりしているでしょうか? 実際のところ話し相手が冗舌になるほど、自己顕示欲や上から目線を感じて「この人、何か好きになれないんだよな……」と思ってしまうのが人の心。逆に、口ベタでも感じのいい上司や部下のほうが「何となく好き。話したい」と思うものです。

だからこそ重要なのは、ハイレベルな話術を習得することでも、それを駆使して冗舌に話すことでもありません。まずは相手から好かれて、話しかけたくなる存在になること。ビジネスでもプライベートでも、前提として相手から好かれなければ、円満な関係を長続きさせることはできません。

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