「話し下手な人」でも無理なく好かれる会話術 注意!冗舌に話すほどイケ好かないヤツに

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たとえば、自分では「話術を駆使して契約を勝ち取った」と思っていても、それは往々にして会社や商品の力であったり、相手が「まあいいか」と決めただけで意味はなく継続しなかったりというケースがよくあります。

実際、相談者の英樹さん(仮名、精密機器メーカー営業)は、自分の営業成績に誇りを持ち、「契約が取れるのは、自分に話術があるから」と自負していました。しかし、英樹さんは明らかに口ベタな後輩2人に営業成績で負けてしまったのです。さらに、自分が契約を獲得した取引先からクレームを受けて担当を外され、しかも後任に指名されたのは営業成績で負けた後輩でした。英樹さんは自分にクレームを浴びせた取引先と円満にやっている後輩の姿を見て、唇をかみしめながら筆者のもとを訪れたのです。

英樹さんのように、一定の話術を持っていても、相手から「この人と話したい」と好かれ、話しかけられるくらいでなければ、長い期間円満な関係を続けることはできません。その理由は、何かトラブルやささいな疑いが発生したときにリカバリーが効かないから。事実、英樹さんへのクレーム内容は、単なる説明不足であり、「言った」「言っていない」の問題に過ぎませんでした。一方、「口ベタだけど、誰からも話しかけられるような感じのいい人間」である後輩は、話をしっかり聞くことで取引先を納得させたのです。

多くの人が集まる場での鉄則

誰からも話しかけられる人が成功をつかむのは、ビジネスもプライベートも同様。仕事の成果も、出世も、友情も、出会いも、人から好かれて話しかけられるからこそ、実りのあるものになっていくのです。

では、あなたが「人から好かれて話しかけられる」ようになるためには、どんなことをすればいいのでしょうか。拙著『話しかけなくていい会話術』(CCCメディアハウス)で紹介したいくつかの方法を紹介していきます。

新聞社勤務でパーティーへの参加が多い博史さん(仮名、新聞社編集)にアドバイスしたのは、「多くの人が集まる場で話しかけられる方法」でした。

1つ目のアドバイスは、「会場の“センター”に立って顔を上げる」こと。パーティー参加者は視野を確保するために壁際に立ちたがるものですが、部屋のど真ん中に立つことで、より多くの人々から顔が見える状態になり、「人と話をしに来ている」というポジティブさも伝わって、360度から声をかけられやすくなります。AKB48でたとえるなら、指原莉乃さんや渡辺麻友さん。あなたも彼女たちのようにセンターに立ち、口角を上げてほほ笑んでいれば、多くの人の目にふれ、話しかけられるのです。

2つ目のアドバイスは、「ときに1人で、ときに2人でいる」こと。多くの人が集まる場では、1人でいることでいい意味でのスキを作って、1人参加者が話しかけやすいムードを作るのが鉄則です。博史さんには、「もし同僚や部下と参加したとしても、基本的に別々で行動して、ときどき2人で話す時間を作りましょう」とアドバイスしました。

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