「楽園企業の接待」は、驚くほどスゴかった 一流の人は「生きたお金」の使い方をします!

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山田氏の「接待哲学」の謎に迫る!(撮影:和田 英士)
「社員が日本一幸せ」とも言われる未来工業(岐阜県にある電気・設備資材メーカー)。同社は、「残業なしの毎日5時退社」で有名だが、年間休日数が140日&有休最長40日と、休みの多さも「日本一」と言われる。しかも驚くほどの高年収で、海外への豪華社員旅行もあるなど、「楽園企業」と呼ばれている。
同社創業者の山田昭男氏は昨夏、惜しまれながら他界したが、遺作となった『山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル』は今、注目を集めている。
今回のテーマは、山田氏が生前行っていた「型破りの接待」について。接待は普通、「自社の製品やサービスを買ってくれるお得意様」に行うのが基本だが、山田氏は「自社の納入業者」を接待し、未来工業の製品を販売してくれる問屋さん(お得意様)には一切、接待をしていなかった。山田氏の「接待哲学」の謎に、未来工業を長年取材してきたルポライターが迫る。

山田式「接待」は2つの点で異なる

日本一“社員”が幸せな会社をつくった男の集大成! 「未来工業と山田昭男のすべてがわかる」と話題の1冊。

「今夜はウチが接待させてもらうから、くれぐれも変な気を起こさんようにな」

岐阜県の電気・資材設備メーカー「未来工業」創業者の山田昭男氏は生前、ある仕入先の部長にそう念押ししたという。しかも、まるで万引きした中学生を教えさとすかのような口調で、だ。

「接待なんかどこにでもある話じゃないか」と思ったアナタは甘い。山田式「接待」は2つの点で、「普通の接待」とは違っていた。

ひとつは、山田氏が接待していたのは、未来工業に原材料を供給してくれているメーカーだったこと。本来なら山田氏が接待を受けるはずの相手にもかかわらず、その仕入先を「逆接待」していたのだ。

その一方で、山田氏は本来接待するべき、自社製品を販売してくれる問屋さん(お得意様)への接待は一切行っていなかった。

「なぜ、自社にメリットのある得意先には接待せず、わざわざ必要のない仕入業者を接待するのですか?」

筆者があるときそう尋ねたところ、山田氏は愉快そうな顔でこう言い放った。

「同じ業界で、(仕入先に)そんなバカな接待をやっとるのはウチだけやから、地元の税務署もビックリしとったな。これも間違いなく日本初やぞ(笑)」

そうやって山田氏はお茶を濁していたが、いったい彼の真意はどこにあったのか? 

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