社員約330名の本社にコピー機は1台きり
「ほら、誰も使っとらんやろ? いっそのこと、このコピー機を半分に切ってしまいたいよ」
あるときテレビ局が「日本一のドケチ社長」を取材に来たところ、本社に1台きりのコピー機を前にして、生前の山田昭男氏はそう言ったという。
岐阜県の電気・資材設備メーカー「未来工業」は、社員約330名にもかかわらず、本社にコピー機はたった1台しかない。しかも、コピーを使用するにあたっては、数々の「厳しいお約束事」が課されている。「ムダなコピーを防ぐためだ」というのがその理由だが、節約に熱心な企業でも、未来工業ほどコピーにうるさい会社は聞いたことがない。
「上場企業で業績もいいのに、そこまでコピーをケチる理由は何ですか?」と筆者が以前尋ねたところ、彼からこんな答えが返ってきた。
「だって、コピー機は『会社のムダの象徴』やと思わんか? 」
「日本一のドケチ社長」と呼ばれた男の目には「コピー機=会社のムダの象徴」と映るらしい。その言葉の真相を探る前に、まずは筆者が目撃した、同社の「無用コピー対策」ベスト3から紹介しよう。
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