「残業が日本一少ない」「休みが日本一多い」「売上目標や営業ノルマがいっさいない」――そんな「日本一『社員』が幸せ」といえる会社がある。岐阜県にある電気・設備資材メーカー、未来工業だ。
同社は室内にある電気スイッチを壁の内外から覆う製品「スライドボックス」などを製造しており、国内トップシェアを誇る。2010年には、第1回「日本一大切にしたい会社」大賞も受賞している。
同社創業者の山田昭男氏は昨夏、惜しまれながら他界した。その山田氏の遺作となった最新刊『山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル』は、今、注目を集めている。
最新刊の発売を記念し、山田氏を長年取材してきたルポライターによる「楽園企業」の謎に迫る連載をスタートする。「うらやましすぎる職場」をリポートしつつ、「なぜ会社はそこまで社員を大切にするのか?」という理由を探っていきたい。
最初のテーマは「社員旅行」。ため息がもれる「豪華さ」と、耳を疑う「常識外れ」ぶりについて紹介しよう。
世界遺産52カ所をめぐる豪華13コース
「社員旅行の行先がイタリア? しかも総額2億円は会社持ち!?」
そんな話を聞けば、「今どき、そんな気前のいい会社がホントにあるの?」と思う人も多いのではないだろうか。
社員旅行自体が下火になる中、岐阜県にある未来工業は、そんな豪華旅行を5年置きに実施している。費用は「全額、会社負担」。宿泊先も「4つ星ホテル以上」が前提だ。
創業50周年に当たる今年の訪問先は、イタリア。
イタリア国内の52の世界遺産を網羅する全13コースが用意され、社員は一人ひとり好きなコースを自由に選べる仕組みになっている。
今回はいちばん人気が「水の都」ベネチアのコース。「世界最大の仮装パーティ」で有名なカーニバルの開催日と、旅行期間が重なったからだ。
しかし、これだけで、うらましがるのはまだ早い。
なんと、未来工業の社員旅行には「驚くべき豪華賞品」が付いてくるのだ。
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