3000人!デンソーの"社内運動会"がすごい 「現場を元気に、一体にする」仕掛けづくり

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デンソーの“社内運動会”でいちばん盛り上がる「綱引き」。決勝に進む強豪チームは、電柱やバスを相手に練習に励む(写真提供:デンソー)
『現場力を鍛える』『見える化』など数々のベストセラーがある遠藤功氏が、「10年間の集大成」として出版した『現場論――「非凡な現場」をつくる論理と実践』が、発売20日で3万部を突破しました。
 「日本企業の強さは現場力にある」という視点から、現場力を鍛える仕組みをわかりやすく読み解いた1冊で、「私の職場でも応用できるヒントを見つけた」「現場で働くことが楽しくなった」などの声が、読者から多数届いています。
 前回に引き続き、『現場論』の中でケース事例として紹介した、デンソーの加藤宣明社長との対談を掲載。今回は、連結売上高が4兆円を超える自動車部品製造のトップ企業が「現場を元気に、一体にする」ために行っている「社内運動会」を紹介します。
 前編:デンソー、知られざるその強さの秘密とは?

不具合があれば工場の全員で解決する

33刷15万部のベストセラー&ロングセラー『現場力を鍛える』の衝撃から10年。その後の全エッセンスが詰まった10年間の集大成、ついに発売! 本書を読めば、どの現場も必ず強くなる。現場にかかわるすべての人に、役立つ1冊。

遠藤:加藤社長が入社当時のデンソーの現場は、どんな感じでしたか?

加藤:私は1971年入社で、愛知県にある西尾工場の、カーエアコンを造る製造部の生産管理に配属されましたが、そこでデンソーはモノづくりにおいてQCD(「品質・コスト・納期」の略称)をとても大事にするということを身にしみて感じました。

遠藤:今の現場と比べて、何か違いはありますか?

加藤:当時は、会社の規模もまだ中堅企業レベルで、今と違って工場内に前工程から後工程まですべてあり、製品造りが1カ所で完結していました。

遠藤:現場としては、手頃な規模感だったのですね。

加藤:ええ。製品に不具合が出ると、みんなが集まって話し合い、「お前アレやれ」「俺はコレやる」と、上の指示も仰がずに、自分たちでその改善に動き出す自主性も強くありました。

遠藤:「まずは自分たちで解決する」というのが現場のプライドですよね。しかし企業規模が大きくなると、どうしても現場の一体感を保ちにくくなります。何か工夫はされていますか?

加藤:「現場を元気に、一体にする」という点では、実は「社内運動会」の役割が大きいと、最近、実感しているのです。

遠藤:社内運動会ですか?

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