
対談の中で、無印良品とセブン-イレブンに共通する「3つの力」が浮かび上がってきました(撮影:井下 健悟/和田 英士)
「日本企業の強さは現場力にある」という視点から、現場力を鍛える仕組みがわかりやすく書かれた1冊で、「私の職場でも応用できるヒントを見つけた」「現場で働くことが楽しくなった」などの声が、読者から多数届いています。
前回に続き、『現場論』のケース事例でも紹介した、「無印良品」ブランドを運営する良品計画の松井忠三(ただみつ)前会長との対談を掲載します(対談は会長時代に行われました)。
対談の中で、無印良品とセブン-イレブンに共通する「3つの力」が浮かび上がってきました。松井前会長が考える「本当に強い企業」像と併せて紹介します。
第2回目:視察殺到!無印良品「マニュアル」の中身
共通点1 企業トップが実践する「徹底する力」

33刷15万部のベストセラー&ロングセラー『現場力を鍛える』の衝撃から10年。その後の全エッセンスが詰まった10年間の集大成、ついに発売! 本書を読めば、どの現場も必ず強くなる。現場にかかわるすべての人に、役立つ1冊。
遠藤:良品計画が赤字決算から奇跡のV字回復を実現した経緯について、いろいろと伺ってきました(参照:第1回、第2回)。今後、さらなる発展のために、松井さんが「目標にしている企業」はどこかありますか?
松井:いくつかありますが、やはりセブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイHD)ですかね。
遠藤:セブン&アイHDといえば、第3四半期に当たる2015年2月期の業績が売上高1700億円と過去最高を更新し、絶好調ですね。セブン&アイHDのどこが「目標」なのですか?
松井:良品計画も目指しているところですが、セブン&アイHDに見習うべき「3つの力」があると思っています。たとえば、最近、耳にして印象的だったのは、セブン-イレブンで扱っていた「クロワッサン・ドーナツ」のエピソードです。
遠藤:発売を開始したものの、あるとき鈴木敏文会長が試食をして、「これはダメだ」と言った約20分後には、全国の約1.7万店舗の商品棚から全部撤去された、という逸話ですね。
松井:ええ。企業としてのスピード感と徹底力がすさまじく、そこにセブン&アイHDの強み、「ひとつ目の力」があると思います。
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