皇居の緑を一望できる、毎日新聞社の本社ビル「パレスサイド・ビルディング」(筆者撮影)
「100年に一度」とも言われる再開発の波が押し寄せる東京。
その影で、高度経済成長期に建てられたビルたちが、静かに姿を消している。 本企画では、50年以上経った今も現役で輝く“渋イイ”オフィスビルを訪ね、ライター山田窓氏がその魅力を掘り下げていく。
第2回は、モダン・オフィス建築の金字塔、パレスサイド・ビルディング。前編では、機能とデザイン、そして人の営みが調和した“生きた建築”としての姿を紹介した。
後編では、遊び心あふれるディテールから、毎日新聞社のオフィス内部、かつて輪転機がうなりを上げた地下空間まで……その魅力をさらに掘り下げる。
機能美の中に潜む、さりげない遊び心
円筒と直方体、曲線と直線……相反する形が見事に調和するパレスサイドビル(筆者撮影)
このビルには、細部にいたるまで緻密なこだわりと遊び心が息づいている。建物全体を貫く曲線の美が、随所に仕込まれているのだ。
西玄関に張り出す巨大な庇(通称「アンブレラ」)。その名の通り、雨をしのぐ傘のようなユニークな形状がこのビルのシンボルとなっている(筆者撮影)
西玄関のエントランスも、このアンブレラを受けて円弧状に広がる(筆者撮影)
一方、東玄関には大理石の大階段があり、こちらも見どころのひとつだ。特に注目してほしいのは、その手すりである(筆者撮影)
贅沢なケヤキ材でつくられた手すりには、やわらかな曲線が見事に生かされている(筆者撮影)
階段を上がった先にある受付カウンターも同じ大理石製で、たいへん贅沢なつくりだ(筆者撮影)
金属製の手すりもこの形(筆者撮影)
「神は細部に宿る」という言葉がふさわしい、こだわりっぷりだ。
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