ちなみに、以前はこの地下工場のさらに下に、社員専用の大浴場があったそうだ。仕事終わりに、汗を流して疲れを癒やしていたのだろう。
365日、日本全国にニュースを届ける使命を担っている全国紙の現場だが、その日の最終版が完成した後には、つかの間の休息があったという。
首都高の高架下、いま喫煙スペースがある場所には、夜になると屋台が現れた。居酒屋のようなお店で、熱燗や牛すじ煮、大盛チャーハンなどが人気だったそうだ。
喧騒の東京の真ん中で、そんな人間味のある時間が流れていたのだ。
毎日神社は1939年、社のプロペラ機「ニッポン号」が世界一周を達成したのを機に創建された。社殿には、飛行の安全を祈願して、当時全国の読者から送られたお札やお守りが多数、納められている。
例年10月20日前後には、例大祭が行われ、毎日新聞社社長をはじめ関係者が社業の安全と発展を祈るそうだ。
毎日新聞社の佐藤さんも、管理会社の福田さんも、話せば話すほどにビルに関するさまざまなエピソードが出てくる。
たいへんビル愛の深い方たちだった。
毎日新聞本社だけではない……賃貸オフィスとしての顔
パレスサイドビルには、本社機能とは別に、もうひとつの顔がある。地下鉄直結、皇居を望む唯一無二の立地と洗練されたデザイン……この環境に魅せられ、入居を希望する企業が後を絶たないのだ。
館内を歩けば、まさに“日本のモダン建築の象徴”にふさわしいスタイリッシュな空間が続く。
東洋経済オンラインでラーメンライターとして活躍する井手隊長は、書籍要約サービスを手がける株式会社フライヤーの執行役員でもある。



















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