商店街も会社も屋上庭園もある「ひとつの街」だ…皇居のすぐ側、地下に"巨大な異空間"がある「生きた名建築」の真相

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ちなみに、以前はこの地下工場のさらに下に、社員専用の大浴場があったそうだ。仕事終わりに、汗を流して疲れを癒やしていたのだろう。

ビルの裏手
このビルの裏手には、夜になると屋台も現れたという(筆者撮影)

365日、日本全国にニュースを届ける使命を担っている全国紙の現場だが、その日の最終版が完成した後には、つかの間の休息があったという。

首都高の高架下、いま喫煙スペースがある場所には、夜になると屋台が現れた。居酒屋のようなお店で、熱燗や牛すじ煮、大盛チャーハンなどが人気だったそうだ。

喧騒の東京の真ん中で、そんな人間味のある時間が流れていたのだ。

毎日神社
屋上には、なんと神社まである。毎日神社だ(筆者撮影)

毎日神社は1939年、社のプロペラ機「ニッポン号」が世界一周を達成したのを機に創建された。社殿には、飛行の安全を祈願して、当時全国の読者から送られたお札やお守りが多数、納められている。

例年10月20日前後には、例大祭が行われ、毎日新聞社社長をはじめ関係者が社業の安全と発展を祈るそうだ。

毎日新聞社の佐藤さんも、管理会社の福田さんも、話せば話すほどにビルに関するさまざまなエピソードが出てくる。

たいへんビル愛の深い方たちだった。

毎日新聞本社だけではない……賃貸オフィスとしての顔

パレスサイドビルには、本社機能とは別に、もうひとつの顔がある。地下鉄直結、皇居を望む唯一無二の立地と洗練されたデザイン……この環境に魅せられ、入居を希望する企業が後を絶たないのだ。

日建設計のオフィス
ビルの設計を担当した日建設計のオフィスも入っている(筆者撮影)

館内を歩けば、まさに“日本のモダン建築の象徴”にふさわしいスタイリッシュな空間が続く。

井手隊長
オフィスの入り口に立つ井手隊長(筆者撮影)

東洋経済オンラインでラーメンライターとして活躍する井手隊長は、書籍要約サービスを手がける株式会社フライヤーの執行役員でもある。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事