「SIMフリー義務化」でもMVNOを阻む3要因

競争環境の推進は限定的になりそう

SIMロック解除が義務化されても、「MVNOのシェアを高め、NTTドコモのようなキャリアがシェアを落とす」とは限らない。(写真:アフロ)

総務省は10月31日、2015年5月以降、SIMロック解除を義務化することを盛り込んだ「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正案を発表した。

SIMロックとは、携帯電話の電話番号などを識別するSIMカードを、他の携帯電話会社の端末に入れても利用できないようにすること。日本の携帯電話キャリアはSIMロックを基本としてビジネスを行ってきた。この機能を解除し、どのキャリアに移行しても、SIMカードを差し替えるだけで、端末をそのまま利用できるようになるのがSIMロック解除だ。

総務省は、2011年からSIMロック解除に関するガイドラインを発効。各社とも一部機種でのSIMロック解除に応じてきたが、人気機種であるiPhoneについては、各キャリアともSIMロックのままとしていた。

今回の総務省のSIMロック解除義務化は、iPhoneを含めてSIMロック解除が実施されることになり、業界内では、国内で3800万台以上といわれるiPhoneのユーザーが、SIMロック解除の機種へと移行するとも試算でき、MVNO(仮想移動体通信事業者)にとっては、大きなビジネスチャンスとの期待も高まっている。

SIMロック解除は無償で

また、これまでは有償でSIMロック解除に対応していたが、新たなガイドラインでは無償で対応することも盛り込んでいる。

総務省では、「ICTサービス安心・安全研究会」と「情報通信審議会2020-ICT基盤政策特別部会」の議論で「利用者の求めに応じて迅速、容易かつ利用者の負担なく解除に応じることが適当」とされていることを理由に義務化に踏み出すことを明言。さらに、10月31日に打ち出した「モバイル創生プラン」においても、モバイルサービスの料金低廉化、サービス多様化に向けて早期に実行するべく、SIMロック解除を推進することに言及していることが今回のガイドライン改正案の背景にあると説明している。総務省では、12月1日までに意見を公募し、それを経て、義務化を開始することになる。

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