企業の「危機管理」--経営者層・社員たちのメタボ・生活習慣病対策
企業社会、特に総務部、人事部などの担当者たちの頭をひそかに悩ませているのは社員たちの健康問題である。
1つはうつ病という問題だ。これは今の企業社会にとって最も深刻な問題で、有効な解決策がなかなか見つからない。昔の人からすれば、「ゼイタク病」ということになるが、特効薬はない。
もう1つはメタボ関連病だ。これもいわば「ゼイタク病」なのだが、やはり特効薬がない。
メタボ関連のたとえば糖尿病などは、特に経営者層にありがちな病ということになる。ゴルフ、ジョギングなど運動が対策だが、運動した後にお腹を空かせて飲み食いすればむしろメタボが進行しかねない。
日本の企業社会では、たとえば12月は忘年会シーズンになる。企業の役員など経営者クラスは、毎晩連続で、お客を接待しなければならない。お肉だ、お魚だとうまいものを食べて飲んで、これがメタボを増殖する職業病のもとになりかねない。
一般社員から見れば、うらやましいようなゼイタクなのだが、経営者クラスには命を縮める仕事になるという面がある。
こうなると、経営者クラスの日常の食事のコントロールが、企業にとって一種の「危機管理」になる。総務、人事の担当者も、上司の役員クラスの日常の食事にまで、“ああせい、こうせい”とは指示を出せないわけだが、「危機管理」となれば少し話が違ってくる。
カロリーコントロール総菜食品は数少ない成長市場
最近では、企業の総務・人事担当者と健康保険組合が連携して、糖尿病の予備軍の層に、カロリーコントロール総菜食品を配るケースが増加しつつあるようだ。企業と健保が一体となって、医療費の増加に歯止めをかける試みである。