安河内:あ、すみません、私もずっと長い間、肩書きでそううたってました。ダメですね! でも最近は極力、1390という数字(LR+SWの合計)を使うようにしています。
千田:英語学習誌の取材を受けるとき、必ず僕が編集部にお願いするのが、「TOEICの満点フリークを作るのをあおるような記事にはしないでほしい」ということです。TOEIC発案者の意図とはまったく違うのだという思いとともにね。満点を取る努力よりも、730点など、ある一定のスコアを超えたら使って伸ばす……。この流れを浸透させたいですね。
TOEICの真の満点は990点ではなく1390点!
安河内:そうなればすばらしいです。とは言っても、日本人はテストが大好きですし、それに向けて勉強するのも大好き。だから、テストで牽引しない手はないと思うのです。必要なのは日本人の英語力が自然な形で伸びていくような種類のテストを選ぶこと。そのためにはLRの2技能しか試さない現状から、4技能テストを受けさせることがスタンダードになるように持っていかなければなりません。
2技能で満点のテストだと、テストに出ない2技能は捨てて、いっさい勉強しない人がたくさん出てくる。そして、先ほど「TOEICのLRで990点満点は目指すな」という話になりましたが、現実問題として、満点を目指して勉強を続ける人はこれからも絶えないでしょう。
だったら、テストの満点をSとWも含めた4技能のものにしてしまえばいい。4技能になれば「テストに出ないから」と捨てる技能はなくなりますし、点数アップで4技能すべての実力の底上げが期待できます。TOEICの満点フリークも、スピーキングやライティングをやらざるをえない状況にしてしまうのです。
千田:満点を狙うのなら、LRSWの4技能で満点を目指すべき、ということですね。
安河内:この連載が2年前に開始された第1回目でも述べたのですが、TOEICの満点は今や990点ではなくて、1390点なのです。
千田:LR990点+S200点+W200点=1390点=満点だと。
安河内:そうです。1390点以外は満点とは認めてはいけないのです。990点を何十回取っていようが、1390点が取れていなければ満点とは見なさない! 履歴書にもTOEICのLRSWの合計スコアを明記することが標準になるようにしたいですね。
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