千田:私がTOEICのLRの高得点者に言いたいのは「TOEIC SWを受けて満点を取ったら、LRはもう受けなくてもいい」ということ。どうしてか? SWで満点が取れれば、LRでも満点、またはそれに近いスコアが必ず取れるからです。
TOEIC SWテストをはやらせるには名称変更が必要!
安河内:先ほどもお話したように、SWテストの受験者数は順調に伸びているものの、LRテストに比べればまだ圧倒的に少ない。一方、すごい勢いで英語力がアップしている韓国に目を向けてみると、TOEICと言えば今やスピーキングを指すぐらいSテストが浸透しています。SWテストを受ける必要があるのは明白なのに、受験者の数がまだ少ない理由はどこにあるのでしょうか?
千田:まず、LRのほうが、テストを簡単に実施できる点が上げられるかもしれません。試験にコンピュータやヘッドセットなど大掛かりな機材を用意しなくて済むし、採点もマークシートで簡単にできる。SWは採点者の確保などもしなければならないし、手間やコストがかかります。今、急にSWの受験者がLR並みの200万人以上になったら、対応できないのではないでしょうか。
安河内:しかし、ETSの高い採点能力があるので、50万人くらいまでは問題ないでしょうね。そこまで行けば大成功ですね。あと、モバイル実施という新しい運営方法によって、テストの運営もマークシートのテストと同様に簡単になっています。
私が、SWの受験者がまだ少ない理由のひとつではないかと考えていることに、名称、つまりテスト名があるのです。米国のTOEICのホームページを見てみるとThe TOEIC testsとなっています。それを大別するとTOEIC Listening and Reading Testと、TOEIC Speaking and Writing Testsとなっています。TOEIC testsというのは4つのテストの総称にすぎないんですね。
一方、日本では「TOEICテスト」というと、LRの2技能のテストを指します。2技能テストなのにまるで総合的な英語力を測るテストのように錯覚してしまいます。今後、TOEICテストは、日本でも米国と同じようにTOEICリスニング・TOEICリーディングテストと名称変更をすればいい。これだけでも、そうとうなインパクトがあるんじゃないかと思います。それに、名称が変わったからといって、ここまで定着しているLRの受験者がグンと減るなんていう心配はまずないでしょう。
千田:この名称の変更は、非常に重要ですね。
TOEICは一刻も早く4技能の満点をそろえるべし!
安河内:そう、今すぐお願いしたいです。そして、もうひとつ、SWテストの普及を阻む要因がスコアです。現状のスコアは満点がLは495、Rは495、Sは200、Wは200となっています。SWは後から作られたテストですし、研究開発が別部門で行われたということもあったのかもしれません。いずれにしてもスコアシステムが大きく違っています。
千田:これは受験者側からすると、わかりづらいですね。
安河内:ええ。でもこれは、統計処理をきちっとやれば、200/200/200/200とか、945/945/945/945と4つを合わせることができるはずです。
千田:私もまったく同感です!
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