それでは炊きはじめます。鍋をコンロに置いて、強火にかけましょう。
米の炊き方は昔から「はじめちょろちょろ中パッパ、赤子泣いてもふたとるな」と言われてきました。教科書などには「火にかけてから8分〜12分の沸騰」をすすめる記載も多いですが、それは炊飯から浸水工程を省いていたときの教え。十分に浸水させた米であれば沸点までの時間は短いほど、デンプンの溶解が少なくなり、張りのあるご飯が炊けます。
これは炊飯器で炊く場合も一緒なので、炊飯器であれば浸水させた米を「早炊きモード」で炊くと今風の張りのあるご飯になります。
2〜3分で沸騰してくるので、ふたを開けて沸いていることを確認します。沸いていればふたをして、そのまま弱火で10分加熱。
10分経ったら、火を強火にして10秒。それから火を止め、10分蒸らします。この工程を「焼き締め」と「蒸らし」といいます。米粒の余分な水分を飛ばすとともに、付着している水分を米粒のなかまで吸収させます。「赤子泣いてもふたとるな」と言われているのはこの工程です。早くご飯が食べたいところですが、少しは我慢しましょう。
実はこの工程を省いてもそれなりにおいしいご飯が食べられますが、蒸らすことでいい点がもう1つ。米粒が鍋肌から離れるのです。炊飯器メーカーが神経を使うのが実はこの部分。ご飯が鍋肌についていると食べる量が減りますし、なによりご飯がもったいないからです。
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