和食の基本は米。日本人1人あたりの年間米消費は1962年の118.37kgをピークに一貫して減少を続け、ついに2020年には50.7kgまで減少しました。一方、低迷する米の消費を食い止めるべく、お米はつねに栽培技術の研究・普及や品種改良による質の向上が試みられ、昔と比べるとさまざまな米を自由に食べられる時代になりました。
米の消費が下がったとはいえ、日本で米をまったく食べないという人は少数派。ご飯がわれわれの食卓の中心であることは揺るがない事実です。
普段、皆さんはどんなふうにお米を炊いているでしょうか。炊飯器の性能が進化したこともあり、炊飯器に任せるのも賢いかもしれませんが、たまには鍋で炊いてみるのはいかがでしょうか。
理屈を知っていればどんな状態にも炊きあげられる
ご飯は「煮る」や「蒸す」ではなく「炊く」と言います。炊きあがったご飯はデンプンにしっかり火が通る=糊化して、表面の余計な水分が飛んだ状態です。外側はもちもちした硬さがあり、内側はやわらかい──いわゆる外硬内軟がおいしいとされています。
ご飯の炊き方にはついてはこだわりを持つ人や一家言ある人が多く、議論になりがちです。多くの研究もされていますが、はっきり言えば「好み」の世界です。ただ、理屈を知っていればどんな状態にも炊きあげることができます。
昔と今で大きく変わったのはご飯の炊きあがりです。昔はふっくらやわらかいご飯がぜいたくでしたが、最近はシャキッとした食感のご飯が人気。そこで今回は粒立ちのいいご飯を目指します。
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