エマニュエル:でもいったい、こういうウクライナ人を自宅で受け入れている人たちとはどういった人だと思う?
1つの例として、フランス中部の都市のシャルトル近郊に住む家族の話を紹介しよう。この家族は、3月7日に村の集会所にウクライナ難民の家族がいることを知って、自宅へ難民の家族を無期限で受け入れることを決めたそうだ。そして、この提案をしたのが、15歳と17歳の子どもたちだった。
週末ずっとこの戦争の経過を追っていて、家族でたくさん話し合い、これはきっと誰にでも起こりうることであり、何か行動に移さなければと思い、両親に難民の援助をしたいと相談した。両親もこの考えに賛成し、自宅への受け入れを決断したそうだ。
受け入れるにあたって、受け入れた家族も過ごしやすいようにと、自宅を2つの部分に分け、各家族が別々のお風呂と部屋を使い、キッチンとリビングは共用で使うことにしたという。おそらく難民の受け入れを自宅でする人たちは、こういったような工夫をしているのだろう。
でもこうやって難民の受け入れをして、ウクライナの文化を学び、ウクライナの人たちとフランスの習慣を共有して過ごした時間はきっと彼らの記憶にいつまでも残るだろうね。
普段からフランクに人を受け入れる
くみ:もちろん戦時と平時は違うのだけれど、普段からフランスの、特に地方の大きめの家に住んでいる人たちは親戚や友人を家に泊めることも珍しくないというのを思い出した。例えば私がフランスに留学したての頃にフランスの教授から、地方都市にある実家が空いているからバカンスの時に使ってもいいよ、と言われて何度か行かせてもらった。
それに「もし自分が日本に行けたら代わりに日本の家を使ってもいい?」とも聞かれて、フランスだけではなく世界規模で実際そんなふうに家を交換してお互いにバカンスを過ごす家族同士も珍しくないというのは以前も話し合ったとおりだよね。