ウクライナ人家族受け入れたある家族の「決断」 2万件の難民受け入れ申し出があったフランス

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くみ:フランスでもウクライナから逃げてきた人を受け入れる方針についての報道は目にしているけど、個人でそんな人数を受け入れている人もいるのね!

ウクライナから見て東側のロシアとは正反対の方角になる西側の国境が接しているのはポーランドだから、ポーランドは今一番受け入れが多いのよね。そこから単純に、さらに西方面へ向かうとするとドイツとチェコ共和国だけど、ヨーロッパの中でも言わば最西端に位置しているフランスまで陸路を移動するとなるとドイツを横切らないといけないことになる。

EU内は国内線と同じ扱いの手軽な飛行機もたくさん飛んでいるとは言え、報道を見る限りほぼ着の身着のままでフランスまで移動してくるのは大変よね。

支援のサイトがすぐ立ち上がった

エマニュエル:もちろん受け入れの数は東欧諸国に比べると少ない(ポーランドでは150万人以上の受け入れをしている)。興味深いのは、こういった難民の自宅受け入れは、完全なボランティアであって、インターネットのサイト(https://parrainage.refugies.info/benevole/)を使って難民支援の申し込みができるようになっている。

このサイトでは主に4つの支援方法が提示されていて、1つ目が、フランス赤十字のサイトを経由した募金だ。2つ目が翻訳と通訳の援助。3つ目が支援物資の援助。必要とする物資のリストがあり、地域ごとに援助物資の回収所が設けられている。主に、寝袋や簡易ベッド、毛布、洋服、衛生日用品、衛生医療品などがリストに挙げられている。

そして4つ目が、住居の援助だ。住居そのものや、自宅の空いている一室の提供などが含まれる。

くみ:ウクライナへの支援をしたいと思っていても、どうしたらいいのかわからない人も多いと思うけど、こんなふうに複数の支援方法を包括的に提示してくれるサイトがあるのは本当に便利! フランス政府によるサイトだから、地域による対応や行政との関係で注意することなども書いてある。

それに上部のウクライナの国旗をクリックするとウクライナの人たちに向けてウクライナ語で書いてあるし、シンプルなデザインでわかりやすい上に必要情報がきちんと盛り込まれていて、このスピードには正直驚いた……。

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