フランスに住む日本人女性のくみと、日本に住んだ経験を持つフランス人男性のエマニュエルが日本とフランスの相違点について語り合う本連載。
今回はウクライナ侵攻によって国外脱出を余儀なくされたウクライナ人を受け入れる、フランス人家庭についてです。中には11人も受け入れている家庭もあるそうですが、これには意外にもオープンなフランスの文化が背景にあるようです。
2万件もの自宅受け入れの申し出
エマニュエル:これまでの記事では、コロナという新たな時代について話してきたよね。ヨーロッパやフランスにおいては昔から最も暗い時代の1つとして考えられてきた戦争が今またヨーロッパに戻ってきたとしたら、何を話せるだろう。
くみ:本当に次から次へと予想外のことが起こる……!コロナによる制限がやっと撤廃されつつあって、2年以上ぶりにやっと日本に一時帰国できそうだと喜んでいたフランス在住の日本人たちもまた躊躇してしまってホームシックになっている人も多いわね。
エマニュエル:今回は現在のヨーロッパの危機的状況におけるポジティブな側面について話したいと思っている。ウクライナ難民の受け入れ、特に自らの自宅などに受け入れている人について話したいと思う。
1週間ほど前に聞いた話だが、僕の知人の兄で11人ものウクライナ難民を受け入れている人がいるらしい。この話に驚いたので、調べてみたところ、彼のような人は珍しい例ではないということだった。2022年3月12日時点では、フランスにおいてなんと2万件のウクライナ人の自宅受け入れの申し出があったそうで、ぼくはその数の多さに驚いたよ。