「使い捨てられる人生」から抜け出す唯一の方法 なんともクセになる「捨てない生活」とは?

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書道のお稽古の副産物、下手な字が書かれた書き損じの半紙も、こうして包装紙にすると俄然味が出てくる(ような気がする)(写真:筆者提供)
疫病、災害、老後……。これほど便利で豊かな時代なのに、なぜだか未来は不安でいっぱい。そんな中、50歳で早期退職し、コロナ禍で講演収入がほぼゼロとなっても、楽しく我慢なしの「買わない生活」をしているという稲垣えみ子氏。不安の時代の最強のライフスタイルを実践する筆者の徒然日記、連載第49回をお届けします。

捨てない生活は「精神に効く」

前回は、私のゴミの驚異的な少なさについて、例によって滔々と自慢させていただいた。

稲垣えみ子氏による連載49回目です。

無論、今もこの生活は継続中であり、っていうかまだまだ進化の途上である。今は燃えるゴミは「3カ月に一度」の量だが、将来的にはせめて「半年に一度」、そして死ぬまでには「一年に一度」というところまで持って行けないものかと、今この時も尽きせぬ野望にボーボーと燃えている今日この頃であります。

そうなんです、今や私、すっかりこの「捨てない生活」の虜。スキあらばゴミ箱行きになるものを一片でも減らせないものかと、来る日も来る日も虎視眈々と目を光らせているのだ。ここまでくると、もうほとんど趣味の領域である。

一体なぜここまでやっているのかというと、それは私が日頃からゴミ問題や環境問題に心を痛めているから……というわけではなく、というかもちろん痛めてはいるんだが、それより何より、実際やり始めてみたら無条件にズボッとはまりこんでしまったというのが正しい。

何が素晴らしいって、もちろん、お金の節約になるとか、ゴミ出しがラクとか、そういうことは当然あるんですよ。でもやってみてわかったんだが、正直、そんなことはまあどうでもよろしい。

そのくらい、これはもうなんともクセになるのです。一旦やり始めたらやめられない止まらない。何しろ「精神に効く」のだ。

次ページクヨクヨも吹き飛ぶ「捨てない生活」
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