根底に愛情のない「厳しさ」が組織を崩す 経沢香保子・カラーズ社長の仕事感(下)

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 女性最年少で上場企業社長になった経験を持つ経沢香保子氏。前編「スパっと決められる女子こそ、皆に好かれる」に引き続き、後編では女性の多い会社のマネジメント方法や、どういう男性がモテるのかなど、幅広くお話を伺いました。最後には、新会社カラーズで目指されている「子どもを通してつながる社会」についても語っていただいています。

 

太田:経沢さんは女性の多い会社を経営されてきましたが、マネジメントのコツはありますか?

経沢:いろいろとあるとは思いますが、「何を言うか」より「誰が言うか」のほうが説得力を持つ場合があると思います。なので、わかりやすい“伝説”を作ることも大事かなと思いました。

たとえば、私はリクルート新人時代の飛び込み研修で1週間に550枚以上名刺を集めた経験があり、いまだにすごいと言っていただくことがあります。ほんの1週間の記録が、いつまでも「あの記録を持つすごい人」みたいに言っていただけるんだなーと考えさせられます。

感情的になるのは、考えを整理できていないから

経沢:ただ、マイナスを指摘するのは難しいですよね。一度にたくさん注意すると潰れてしまう人もいます。相手に合わせて言い方を変えるのには、かなり高度な技術が必要ですよ。相手の心の状態をよく知らないといけないので。

トレンダーズ時代は最初、全然できていなくて、ただの厳しい社長だったと思います。でも、だいぶ経験を積んだので、前よりはうまいやり方になったと思います。新しい会社のカラーズでは、その経験を生かしたいですね。

太田:難しいですよね。私も「相手を認めてあげよう」とか「言い方に気をつけよう」と頭ではわかっています。ただ時間がなくてあと5分で指示しなきゃいけないというとき、「それもいいと思うけど……」「申し訳ないけど……」などのクッション言葉なんか使っていられなくて、単刀直入に言ってしまい、後悔します。

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