根底に愛情のない「厳しさ」が組織を崩す

経沢香保子・カラーズ社長の仕事感(下)

経沢:今回の企業において、15年前に一緒に起業し、経営面のみならず、システムインフラ面を支えてくれたCTOの舩木の存在は大きいです。彼は一緒にトレンダーズを起業した後、自分の会社を起業し、経営していたので、お互い経験を積んで一回り大きくなって集合できたのはラッキーでした。「女性の解放」「女性が輝く社会の実現」についての思いは変わっていませんので、新しい方法でじっくりアプローチしたいと思います。

起業ストーリーにも書いたのですが、サイバーエージェントの藤田さんや、個人投資家として有名なDeNAファウンダーの川田さん、『神の雫』や『金田一少年の事件簿』で有名な、漫画家の樹林さんも投資家として参加してくださったのは、大きな勇気になりました。

子どもを通じて人と人がつながっていく世の中

経沢:私は、子どもを産みたい人がみんな産める社会になるといいと思っています。そして、社会全体で育児にかかわっていくことで多くの気づきがあればいいなと。昔は「一人の子どもが育つのに一つの村がいる」と言われましたが、現在は核家族化が進んでおり、そんなことはとても実現できません。だから、もっと子育てをシェアする社会、育児を楽しむ社会にしていきたいです。育児を通じて人がつながっていくような、そのための事業に取り組んでいます

太田:そう思うようになったきっかけはなんですか?

経沢:あまり悩みを言ってこなかったのですが、私は31歳、32歳、35歳と3回出産をしながら、会社の規模拡大と上場を目指したので、単純に大変だったのです。ただ、大変なことをできるだけ見せないようにするべき立場だったので、育児と仕事を両立するのに試行錯誤の連続でした。

アウトソーシングのおカネもすごくかかりました。保育園の目の前に住んで、母に隣に住んでもらって、シッターさんも活用して、それでようやく両立できたけれど、普通、無理だろうと感じていました。みんな、朝起きてご飯を食べさせて保育園へ連れて行って会社へ行って、仕事が終わったら息つく暇なく走って保育園へお迎えに行って……。十分に子どもと接していないんじゃないかという罪悪感に悩んでいる人もいると思います。

太田:私もかつて、公立の認可保育園に子どもを入れられなくて、私立の認可外保育園に入れたんです。そうしたら、保育園代が給料より高くなった時期もありました。「何をやってるんだろう」って。これでは仕事をセーブせざるをえないと思いました。

経沢:おカネもかかりますし、安心して預けることができる人を見つけるのも大変です。そのあたりの問題を徐々に解決していきたいと考えています。

太田:今まで子どもを産んだらすごくおカネがかかる、教育面も心配だと思っていた人たちが、惜しみなく仕事ができる環境整備を目指すのですね。

経沢:そうです。カラーズには同じような志を持つ仲間が集まってきています。新しい挑戦なので時間がかかるかもしれませんが、みんなが育児を楽しめるような社会。育児を通じてみんながつながっていく社会。そういう新しい風を吹かせることができればと、頑張っています。

営業部女子課とは、主宰の太田彩子が2009年に立ち上げた、営業女子を応援するためのコミュニティです。女性営業職の活躍を拡げることで、結果男女ともに輝きながら働ける社会創造を目指しています。詳しくはこちらをご覧ください。

 

(構成:小川たまか・プレスラボ/撮影:名鹿祥史)
 

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