「長すぎる老後」に私たちはいかに稼げばいいのか 「高齢者」でなく「戦力」として評価されるか

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高齢化が急速に進む日本社会。私たちは何をどのように備えればよいのでしょうか(写真:freeangle/PIXTA)
河合雅司さん(ベストセラー『未来の年表』著者)と、牧野知弘さん(不動産協会賞受賞『空き家問題』著者)による「2030年の東京」対談の最終回は、「老後は、こうなる」です。
高齢化が急速に進む日本社会において、今後の高齢者は現在と異なる老後生活が待っています。私たちは何をどのように備えればよいのでしょうか。対談は、年金問題から始まりました。
1回目:日本人がしがみつく「東京モデル」の悲しい結末
2回目:数十年後、タワマン住民を待ちうける驚きの未来

年金問題と格差社会

牧野知弘(以下、牧野):年金の受給開始年齢は段階的に上がっていますが、仮に現行通りとすると、2030年に60歳を迎える1970年生まれの人は、厚生年金・国民年金共に65歳からの受給となります。繰上げ受給をすれば60歳から受け取れますが、受給額は減ります。所属する組織の定年が60歳のままだと「定年後、年金前」をどうやりくりするかが問題になります。 

河合雅司(以下、河合):社会保障は私の専門分野です。厚生労働省の「高年齢者の雇用状況」(2020年)によれば、99.9%の企業が65歳までの雇用確保措置をしていますが、65歳を定年とする企業は18.4%にとどまります。60歳で定年退職後は、嘱託社員として契約を切り替えて雇用を継続するケースが大半です。年収を半分近くにまで減らし、さらに毎年、契約内容を見直す企業も少なくありません。

しかも、こうした雇用延長の対象は、一定期間勤めてきた正規社員が中心です。2030年に年金受給世代になる人は、「失われた30年」で勤務先が倒産したり、リストラに遭ったりした人も少なくありません。退職金を十分にもらえなかった人もいますし、うまく転職できていなければ、厚生年金の保険料納付が途切れています。未納期間が長ければ、低年金となります。ですから、2030年頃には、老後資金を十分に貯めきれないまま60代を迎える人もたくさん出てくるでしょう。

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