日本人がしがみつく「東京モデル」の悲しい結末 河合雅司×牧野知弘「人口減少で仕事はどうなる」

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東京都の総人口がピークアウトした後、東京圏はどうなるのでしょうか?(写真:まちゃー/PIXTA)
累計90万部超のベストセラー『未来の年表』シリーズの著者で、人口減少問題の泰斗である河合雅司さん。『空き家問題』(不動産協会賞受賞)の著者で、不動産分析の第一人者である牧野知弘さん。2人が東京の、日本の未来について徹底対談しました。まずは、河合さんの説明から──。

2025年に起こること

河合雅司(以下、河合):新型コロナウイルスの感染が拡大した当初、東京一極集中に歯止めがかかることが予想されました。テレワークが一挙に広まったこともあり、過密な東京を脱出する人が増えるだろうとの見立てです。

しかし、実際は東京都への転入超過に終わりました。集まってくるのはヒトだけではありません。資本や投機などのマネーも、巨大マーケットを取り込むべく流れ込んでいます。東京には資本金10億円以上の企業の6割が立地し、外資系企業の86%が本社を置いています。こうして、さまざまなものをのみ込みながら、東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)は3700万人もの人口を抱える世界屈指の人口集積地となったのです。

ところが、そんな東京に今、大きな転機が訪れようとしています。東京都の総人口が2025年にピークアウトするのをはじめ、東京圏が本格的な人口減少社会へと突入するのです。日本全体の人口が激減し、地方に若者が少なくなってしまったためです。

変化は人口が減ることだけではありません。地方からの若者の流入が縮小すれば、東京は急速に老け込みます。東京都の80歳以上人口はすでに100万人を超えており、急速な高齢化が予想されます。さらに、若い世代の減少はイノベーションを起こす力や流行の発信力をそぎ、日本経済に深刻な影響を及ぼすでしょう。

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