いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)プリンシパルが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。
※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
できる仕事はある!
「よくわかんないですけど、俺、可能性を秘めていると思うんですよ。やればできるはずです。ポテンシャルで何とかなりませんか?」
そんな調子で、かつて私が勤務していた会社にそれぞれ採用面接に来た男性が2人いました。両名共に「職務経験はほぼゼロ」というのは共通でしたが、そのうち1人は採用し、もう1人は採用しませんでした。
……と、その話には後で戻るとして、ご相談の中に個々の勤務先における具体的な職務内容や年数などが記載されていないため、漠然とした回答になってしまうかとは思いますが、ご容赦ください。
まず、いかなるブランクがあろうとも、仕事をした経験がまったくなくとも、できる仕事はあります。要はご自身のスキルや経験の「強さ」、ご自身が何を仕事に求めるかです。そして、ご自身の準備の度合いによって仕事を見つけるうえでの難易度が変わってきます。
特定分野において、即戦力としての活躍や短期的なアウトプットを求められるような環境では、直前まで同様の分野で活躍していた、という事実が採用側および求職者双方にとって重要になるでしょう。
その一方で、昨今の人手不足も相まって、特定分野における経験がなくとも、類似業務の経験者や最低限のスキル保有者であれば、ポテンシャル採用や入社後のある程度の教育を前提に採用する、という例も増えてきていると思います。
前者の環境では厳しい求職環境を覚悟するべきですし、後者の環境であれば難易度は若干下がるでしょう。
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