コンテナ船の運賃上昇で今期の海運大手3社は通期で1120億~1500億円の利益改善へ【海運大手3社決算】


 バラ積み船が主体の不定期専用船部門の下期は、商船三井が上期の6割強、日本郵船が同5割弱、川崎汽船が同3割弱と見方が大きく分かれている。コンテナ船同様、部門利益見通しは経常利益ベース。

不定期専用船の
   部門経常利益  上期実績  下期想定 上下比率
     日本郵船 387億円 188億円 48.58%
     商船三井 497億円 323億円 64.99%
     川崎汽船 170億円  50億円 29.41%

不定期専用船の部門利益の前提となるバラ積み船市況は以下のとおり。大型船のケープサイズの下期想定は商船三井が最も高く、川崎汽船が最も低い。商船三井のケープサイズのフリーポーション(スポット運賃での運航比率)は日本郵船や川崎汽船の約2倍に当たる2割なので、商船三井ではケープサイズの市況運賃上昇が増益要因となる余地が大きい。

ケープサイズ 4~6月期実績  7~9月期実績  下期想定
   日本郵船 3万8434ドル 2万6346ドル 3万5000ドル
   商船三井 3万8400ドル 2万6300ドル 3万6000ドル
   川崎汽船 4万0000ドル 2万6300ドル 3万0000ドル
 (注)3社とも4航路平均

中型船のパナマックスの運賃市況前提は以下のとおり。日本郵船や川崎汽船は下期の運賃市況を7~9月期並みと見ている一方、商船三井は下期のパナマックス市況を7~9月期より下がると厳しくみている。パナマックスのフリーポーションは各社とも3割前後と高めのために、パナマックスの運賃市況変動が業績に与える影響は大きい。

パナマックス 4~6月期実績  7~9月期実績  下期想定
   日本郵船 2万8848ドル 2万0340ドル 2万0000ドル
   商船三井 3万0900ドル 2万1700ドル 1万9000ドル
   川崎汽船 2万9200ドル 2万1700ドル 2万2000ドル
 (注)日本郵船のみ太平洋航路、商船三井と川崎汽船は4航路平均

「東洋経済オンライン」では通期営業利益で、日本郵船に20億円程度、川崎汽船に50億円程度の上振れ余地があるのではないかと見ている。下期は対上期比で利益が大幅に減少するとはいえ、10年3月通期との比較では日本郵船が1500億円の利益改善、商船三井が1120億円、川崎汽船が1260億円の利益改善となる。

通期営業利益  今期見通し  前期実績  差異
   日本郵船 1320億円 ▲180億円 +1500億円
   商船三井 1330億円  209億円 +1120億円
   川崎汽船  690億円 ▲520億円 +1260億円

(山田雄一郎=東洋経済オンライン) 

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