コンテナ船の運賃上昇で今期の海運大手3社は通期で1120億~1500億円の利益改善へ【海運大手3社決算】
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運大手3社の業績が改善している。コンテナ船運賃が想定以上に上昇したほか、対前期比でバラ積み船の運賃市況が改善したことから、2010年4~9月期(上期)は3社とも前年同期比1000億円前後の利益改善となり、大幅な黒字を確保した。
改善幅は、コンテナ船部門やバラ積み船部門の改善に加えてこれまでお荷物だった航空運送部門を黒字化した日本郵船の1232億円が最大となった。コンテナ船比率が大きい川崎汽船の改善幅は、バラ積み船に強い商船三井とほぼ同水準の925億円となった。
営業利益 今上期 前上期 改善幅
日本郵船 862億円 ▲370億円 +1232億円
商船三井 826億円 ▲114億円 +940億円
川崎汽船 500億円 ▲424億円 +925億円
7月公表の修正値や4月公表の期初計画と上期実績との差異は以下のとおり。期初計画との比較では、期初に航空運送部門の赤字継続を見込んでいたが実際は黒字化した日本郵船の上振れが一番大きい。7月修正値比との差異は、主に夏場のピークシーズンサーチャージ(繁忙期の追加徴収運賃)が想定以上に徴収できたことによる。
上期実績比 7月修正値比 期初計画比
日本郵船 +132億円 +492億円
商船三井 +126億円 +306億円
川崎汽船 +80億円 +330億円