・うちは、夫が結婚を機に寿退社と称して会社を辞め、私が住んでいた米国に移ってきました。私は、結婚したら私が相手に合わせて日本に帰るつもりだったので、正直、彼の決断にはとても驚きました。今思えば、価値観が合う人(=人生、冒険したい。日本と世界をつなぐ仕事をしたい。などなど)を探した結果、あまり直線的にキャリアを考えない人と結婚することになったのだと思います。(2006年理学部卒)
・結婚するにあたり、私のキャリア形成に最大限の協力をすることについては約束を取り付けました。結果、結婚して6年経つ今も彼なりの協力姿勢を保ってくれています。留学先にも仕事を見つけつつ、ついて来てくれました。私自身は海外駐在がありうる職場なので、今後もきっとなにかしら仕事を見つけつつ、ついて来てくれるのではないかと、勝手ながら期待しています。(2006年法学部卒)
必ずしも「妻が辞めてついていく」「妻が子ども連れ赴任」という、これまでの典型ケース以外の選択肢も出てきたかなという気がしますね。共働きが主流となっていく世の中で、キャリアも子育ても実現していく方法、模索したいです!!
母親が東大卒だと子どもに負担?
ちなみに、冒頭のbiscUiTというフリーペーパーでは、学生さんからはこんな質問も。
「東大卒という母親の学歴は、子供にとって精神的に負担になるのでは?」
それに対するさまざまな年齢の子どもを持つママたちの回答は……。
・「子どもも東大に」みたいなことは、よく周りの人は勝手に言っています。そんな、まだ1歳だって! みたいな(笑)。負担になるかどうかは、親の心意気次第でどうにかなっても、周りがそういうことを言うのは、止められないでしょうね。それが負担になるような育て方をしたら、負担になるでしょう。(子どもは乳幼児)
・社会に出たら学歴ってそこまで重要ではないです。就職活動・転職活動の最初の足切りに使うことがあっても、それを基に採用・昇進を決めることはなくなってきている。自分ひとりの能力だけで勝負しようとする東大生より、チームで高い成果を出せる他大生のほうが評価されると思います。この傾向は加速し、子どもが社会に出る20年後には「学歴:東大」の価値ってそこまで重要でなくなるのでは……と個人的に予測しているので、そこにこだわるように育てると時代遅れになる可能性が高い。学歴よりも大切なものがあることを教えて育てたいと考えています。(子どもは保育園児)
・負担になることもあるかもしれませんが、逆に子どもにとって役に立つこともあります。うちの娘は現在、高2で東大文Ⅲを目指していますが、私が自分の受験の経験を話してあげることもできますし、実は東大といってもそんなすごい人たちばかりがいるわけではないから、必要以上にプレッシャーを感じることはないということを話してあげることができます。娘も「お母さんが入れたくらいだから、入れるだろう」とポジティブに(?)考えているようです。(子どもは高校生)
・小さいときからの子育て方針、子どもとの接し方がとても重要だと思います。東大生の長男からの一言「負担にさせるとしたら親の人間性。学歴にあらず」。補足すると、子どもだって、相手の人間がどういう人か、尊敬できるか、信頼できるかはわかる、ってことだと思います。(子どもは大学生)
……と、いうことで、今回の記事は正直、誰向けなのかよくわからなくなってきましたが(笑)、これから東大に入りたい女子高校生&親御さんが読んでくださっていれば、今から結婚できないんじゃないかとか、将来、自分の子どもに負担になるなんじゃないかなんて心配する必要なし! 行きたければ東大行ってください。
(子どもに負担かどうかを気にしてセーブするのも変な話なので、そこまで考えてしまう今の学生さんも大変だなという気がしますが……)
さて、今回もちらっと夫婦の分担や駆け引き?について出てきましたが、次回は産後の夫婦関係に訪れる危機=産後クライシスについてガッツリ取り上げる予定です。
(撮影:引地信彦)
東大ママ門とは…2011年のホームカミングデーをきっかけに発足した東大卒業生の同窓組織です。現在、0歳から小学生の子を持つ層を中心に、20~40代の東大卒のママ(一部プレママ)160人が登録。「子育てをしながら働き続けるつもりだが、会社内にはまだロールモデルがいない」「子どもの教育観について近所のママ友にはどこまで打ち明けていいかわからない」というような悩みを、同じ大学出身という共通基盤の下にFacebookのグループページ(非公開)で共有したり、オフ会、勉強会などで情報交換しています。
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とうだいままもん / Todai mamamon
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立ち上げ人:中野円佳。2007年、東京大学教育学部卒。『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)著者。同著では制度が整ってからも総合職女性が活躍しづらい社会構造を指摘。高学歴女性の抱えるジレンマについて触れている。
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