こういう動きがある中で、ついにほとんどの小学校がホームページを作るようになりました。それでコンテストの開催目的を果たしたと思えたので、開始から10回目を迎えた昨年、いったん終わりにしました。ちなみに東京がグランプリを取ったことは1度もなくて、地方都市で一生懸命、地域と一緒になって頑張っているところが優れたページを作っていました。都会は受験で忙しくて、コンテストどころではなかったようですね。慶應も1度も入賞しませんでした(笑)。
このように、10年かけて学習指導要領を作ったり、教科書を作ったりという中に、こういった「よってたかって方式」を加えていくことが重要だと思います。今、情報の科目を入試に導入する過程で模擬試験を行っていますが、従来の教科と同じような問題を出すのではなく、新しい話題を出すことを通して、教科として工夫する必要があるなと考えています。
――今後のIT教育のどんなところに可能性を感じますか?
最初にコンピュータが出てきたときは、軌道や難しい式の計算が主でした。そのうちワープロのようなものが出てきて、人に役立つ機械としてのコンピュータの登場がありました。
センサーとデータのプログラミングができるようになってくると、子どもたちは楽しくて仕方ないし、新しい夢を実現できます。そうやって、これからも日常で困っていることを、解決できるようになるのではないでしょうか。そのための教育は、子どもにとって手に入れやすくなっていますね。
昔は、目の前にあるイチゴが甘いか酸っぱいか、食べないとわかりませんでした。だけど、今は食べなくても光を当てることで、どのくらい甘いかわかってしまう。近い将来、イチゴ農家の子どもがパパのために、機器を工作して糖度がわかるおもちゃを作るということが出てくるかもしれませんね。
最近は、3Dプリンタが普及してきましたが、今後、それが進むと学校でのカップルの出来方も変わるかもしれませんね。シャツのボタンが取れてなくなってしまったら、その場で3Dプリンタでボタンを作って、それをすぐシャツに縫い付けられることをきっかけに仲良くなるとか(笑)。ますます面白い時代になると思います。
(撮影:大澤 誠)
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