グローバル社会においては、国や民族間でお互いの理解がなくては、ビジネスやコミュニケーションは成り立ちません。前回の記事とも関連しますが、相手の国の歴史、宗教、文化、習慣、アイデンティティなどをきちんとつかんだうえで、さらに「日本とはこういう国なのだ」「日本人とはこういう民族なのだ」と説明できるだけの見識をもっていて初めて、本当にグローバルに活躍できる人材といえるのです。
こういった双方向の理解がなければ、日本人のアイデンティティをわかってもらえなかったり、逆に相手のふれてはいけないところにふれてしまったりして、お互いに理解が深まらずに失敗してしまうことが多いからです。
日本人について、突き詰める時期がやって来た
グローバル社会としつこいくらいいわれている世の中では、相手国の歴史や宗教を知っているのはもちろん重要なことなのですが、私たちはもう一歩だけ踏み出して、自分たちのことをもっと知らなければならないのです。
私たちは今一度、「日本人とはどういう民族なのか」「日本人がはるか昔からもっている価値観や行動原理とは何か」ということを考えてみる時期に来ていると思います。
そのためには、日本の歴史や宗教について学ぶことが何よりも重要となります。ただし、現在の学校における歴史教育は、かなり不十分なものだといえます。子どもに自国の神話を教えないのは、日本くらいではないでしょうか。
欧米の学校では、子どもたちに旧約・新約の両聖書やギリシャ神話を必ず教えています。そのうえ、書店に行くと、子ども向けにわかりやすく書かれた絵本や書籍も数多く並んでいます。それは、子どものうちから自らのアイデンティティを確立できるように、聖書とギリシャ神話が欧米社会に深く溶け込んでいるからです。
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