レアメタルを生業とする筆者は、中国訪問の回数がすでに200回を優に超えた。中国では三中全会が終わったばかりだが、その直前には、天安門広場前や山西省の共産党庁舎前で爆破事件が起きた。ちょっと前までは、何かあれば「尖閣諸島」の話を持ち出してきた中国だが、わずか1か月ほどで、大きく様変わりしたようにも見える。ネトウヨ(ネット右翼)にとって見れば、肩すかしを食らったような感覚だろうか。あるいは、「ざまあみろ」と言っている向きもあるかもしれない。
だが、中国を考えるうえでは、画一的な情報を流しがちなネトウヨの話をうのみにしてはいけない。今回のコラムでは、改めて中国のエリート層と、それをとりまく階級について考えてみたいと思う。
まず、中国の一般大衆は常に抗日教育を受けているので、洗脳されているようにみえる。現地のTVをつければ毎日のように抗日戦争のドラマが流される。だが、われわれ日本人からするとあまりに荒唐無稽な筋書きに、唖然とする。
ドラマでは、なぜか威張るわりには臆病で勇気のない弱い日本兵ばかりが出てくる。そんなにも弱い日本兵に、なぜ中国人民はやられてしまった(一時的に支配されてしまった)のかと、素朴な疑問が出てくるような筋書きばかりだ。
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