前回のコラム「ネトウヨにダマされるな、中国のエリートは、実は日本人好きだ!」はかなりの反響があった。「そのとおりだ!」とひざを打ってくださった方から、「あのムッシュ中村は、中国の手先」という方まで、読者の反応は実にさまざまだった。
今回のコラムでは、テレビなどで見ると「ナショナリズムの塊」のように見える中国人が、実は自分の国に絶望しているのではないか、という話をしてみたい。
悪評高い福建人をバックに持つ、習近平主席
「北京愛国、上海出国、広州売国」という言葉をご存じだろうか。この言葉は、今や中国では当たり前になっている。つまり、北京人は共産党中央のおひざ元だから「愛国」心が旺盛で、上海人は海外への「出国」ばかり考えている人が多く、広州人は商売のためなら「売国」もいとわないというわけだ。
最近では「北京愛国、上海出国、広州売国」に加えて、「福建亡国」と言っている広東人華僑がいる。つまり、福建人が国を滅ぼす、福建人が通ったあとは、ぺんぺん草も残らないというくらいの意味だ。もともと、福建も広東も、山岳地域が多く耕地面積が少ない。そのために食えない連中は、新天地を求め、東南アジアを中心に海外に出たのである。華僑として東南アジアで根を張ろうとすると当然、同郷の仲間が集まることになる。中でも、広東華僑はタイやマレーシアへの進出が多く、華僑の中では最大の勢力だ。ところが、その広東華僑が、福建華僑に押されているのだ。
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