中国人の大半は、実は自国に失望している! 愛国を叫ぶ者は、共産党の一部だけ

✎ 1〜 ✎ 23 ✎ 24 ✎ 25 ✎ 最新
拡大
縮小
 前回のコラム「ネトウヨにダマされるな、中国のエリートは、実は日本人好きだ!」はかなりの反響があった。「そのとおりだ!」とひざを打ってくださった方から、「あのムッシュ中村は、中国の手先」という方まで、読者の反応は実にさまざまだった。
 今回のコラムでは、テレビなどで見ると「ナショナリズムの塊」のように見える中国人が、実は自分の国に絶望しているのではないか、という話をしてみたい。
中国の上海駅ターミナル。これだけ見れば、日本など、とてもかなわないように見える(撮影:今井 康一)

悪評高い福建人をバックに持つ、習近平主席

「北京愛国、上海出国、広州売国」という言葉をご存じだろうか。この言葉は、今や中国では当たり前になっている。つまり、北京人は共産党中央のおひざ元だから「愛国」心が旺盛で、上海人は海外への「出国」ばかり考えている人が多く、広州人は商売のためなら「売国」もいとわないというわけだ。

最近では「北京愛国、上海出国、広州売国」に加えて、「福建亡国」と言っている広東人華僑がいる。つまり、福建人が国を滅ぼす、福建人が通ったあとは、ぺんぺん草も残らないというくらいの意味だ。もともと、福建も広東も、山岳地域が多く耕地面積が少ない。そのために食えない連中は、新天地を求め、東南アジアを中心に海外に出たのである。華僑として東南アジアで根を張ろうとすると当然、同郷の仲間が集まることになる。中でも、広東華僑はタイやマレーシアへの進出が多く、華僑の中では最大の勢力だ。ところが、その広東華僑が、福建華僑に押されているのだ。

次ページ習近平の人脈・金脈を知るべきだ
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT