日本人がロシアに勝手に抱く「6つの誤解」 プーチン大統領は当然のことをしていただけ

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今回の日露交渉では「ロシアは食い逃げしただけ」なとという論調が多い。だがロシアに詳しいビジネスマンの筆者から見ると全く違う(撮影:日本雑誌協会代表取材)

先日、モスクワに商談に行った後、12月15日のプーチン・ロシア大統領の訪日に合わせて東京に戻ってきた。「ホテルニューオータニ」での「日露ビジネス対話」の分科会と日本経団連主催の全体会議・レセプション(16日)に出席するためである。ロシア側からは360名、日本側からは主要な各社からだけでも560名ほど(両方をあわせると900名超)が参加した。

さて、読者の皆さんの日露首脳会談やビジネス対話の印象はどうだろうか。「平和条約や北方領土の交渉は不調に終わった」との論調が目立つ。しかもロシアによる「経済協力のただ食いだった」というのが、大半の日本人の見方のようだ。

大変申し訳ないのだが、私に言わせると、残念ながらこれらは日本人がロシア人を理解しないばかりか、ロシアに対する悪しき印象から来ているものだと思う。私はロシアとのビジネスも長く、ロシアを知る一人の日本人ビジネスマンとして、できるだけ客観的な視点に立って一連の誤解を解きたいと思う。

そもそも最初から期待しすぎだった日露首脳会談

プーチン大統領が「2時間半も遅れてきた」とか「無愛想すぎる」とか、日本人評論家の評価はさんざんである。極端なことを言えば、一連の報道でまともな分析をしているのは元外交官の佐藤優氏くらいのものではないだろうか。

そもそも、日露ビジネス関係は実際には以前からそれほど進んでいない。だが、この半年間のニュースを見ていると、ちょっと錯覚してしまうほどだった。あたかも今回のプーチン大統領の訪日によって、四島返還も平和友好条約の締結も成功するかのような報道も、当初はあったのである。

また、日本政府にも、返還の見返りとして、ロシア支援を本格化するといった姿勢が見え隠れしたのではないか。だがロシア側は本当に日本の協力を必要としているのだが、日本企業となると、これは意外に冷淡である。仕方がないかもしれないが、実際にロシアに投融資した企業で、成功した例は少ないからである。

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