中国も白旗?ベトナムの「じらし戦法」

中国に負けないベトナムから何を学ぶか(下)

ベトナムの「じらし戦法」には、どの国もかなわない?(安倍首相と握手するベトナムのチュオン・タン・サン国家主席、AP/アフロ)

前回のコラムでは、ベトナムが「中国に対していかに負けない国か」、ということを書いた。なんと、その後中国は南シナ海で行っていた掘削作業を終了、撤収を始めたではないか。「米国の圧力が機能した」という説がある一方、中国側からは「作業が予定より早く終了した」との声が聞こえてきたが、いずれにしても、ベトナムの「面目躍如」かもしれない。

さて、本題に入ろう。「ベトナムに学ぶことも多いが、ベトナム人とビジネスをするのはまた別の話でなかなか難しい」というのが、今回のコラムのテーマだ。

いったん決まっても、再交渉も?交渉がうまいベトナム

私は、中国にもベトナムにも会社を設立したことがある。その私に言わせてもらえるなら中国よりも、ベトナムの方がはるかにしたたかだ。

なぜしたたかなのか。これは、歴史家などがよく指摘することだが、細長い半島国家であることが影響している、という。ベトナムは、昔から、北からも南からも攻められやすく、完全独立を維持することは至難の技だった。それでも各国からの侵略をしのぎ、長期では植民地にならないように外交力を蓄えてきた。南北のどちらかが侵略されても常に対立極を持ち、外圧を利用しながら一方的に支配されないようにしてきた歴史がある。

実は、ビジネスの世界においても同じだ。常に競争原理を持ち出しながら、「漁夫の利」を得る戦略が身についているように見える。だから、ベトナムとの交渉ごとでいったん決定しても、後で見直しを主張したり、じらしながら再交渉が発生するのだ。その意味ではベトナムは交渉ごとでは、常に二枚腰で来るから注意が必要だ。

次ページ筆者が失敗した、ベトナムでの経験とは?
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 親という「業」
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ時代の勝者と敗者<br>不動産 熱狂の裏側

実体経済の悪化を尻目に、国内外から熱い視線が注がれる日本の不動産。業界の雰囲気とは対照的に、上場不動産会社の株価は軒並み軟調です。コロナ後の新常態で誰が笑い、誰が泣くのでしょうか。現場の最新情報を基に不動産市場の先行きを展望します。

東洋経済education×ICT